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「機動戦士ガンダム」(1979年作品)第37話(テキサスの攻防) 感想 [アニメ/特撮]

ドズル中将の宇宙攻撃軍は事実上壊滅した。

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報告を受けたデギン公王は諦めの言葉を吐いてギレンを失望させた。ギレンは全軍にア・バオア・クーを最終防衛ラインに設定すると通達した。

ソロモンを抜け出した敵艦の掃討作戦に就いたホワイトベースは、テキサス付近の暗礁宙域に入った。同じころ補給を受けたマ・クベはテキサスでホワイトベースを待ち受けていた。ガンダムを討つべくテキサスへと誘い込んだマ・クベは、様々な仕掛けでアムロを翻弄していく。

そのころテキサスを訪問していたシャアは、ララァ専用のエルメスが届いていないことに失望していた。ララァのニュータイプとして能力はすでに覚醒しており、実戦に投入するのみとなっていた。

テキサス内でマ・クベが苦戦するのを見たシャアは、補給を受けたばかりのゲルググで出撃した。シャアはガンダムと一騎打ちを演じるマ・クベの戦いに割って入った。マ・クベはこれに激怒する。彼の美学に反したからだ。仕方なしにシャアは撤退した。

戦いの場に出る予定だったララァはこの戦闘を遠く離れた場所から眺めていた。テキサスに入る前からずっと誰かの気配を感じていたララァは、精神感応の相手がガンダムのアムロであることを知った。

アムロはマ・クベのギャンを退けたが、シャアとララァの気配に戸惑っていた。

という話。

ギャン。作ったなぁ。これがまた出来の悪いキットで、組み立てている途中からテンションが下がり始めるダメキットだった。

作品の方は主要テーマがニュータイプに変わってきたせいで「勘が良い」アムロが普通の人とは違うと描写するために様々な手法が試みられている。マ・クベと戦いながらララァの気配を感じて研ぎ澄まされていく感じがよく出ている。

こういうのはいくら設定で盛り込んでもダメな部分で、演出屋の腕の見せ所なのだが、似たような緊迫の場面は他にいくらでもあるのに、アムロとララァの接触ほど息詰まる感じは出せていない。ニュータイプ同士の精神感応という難しい演出をアニメでやり切った富野はさすがなのである。





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「機動戦士ガンダム」(1979年作品)第36話(恐怖! 機動ビグ・ザム) 感想 [アニメ/特撮]

ソーラレイシステムによってソロモンの第6ゲートを破壊した連邦軍ティアンム艦隊のモビルスーツ部隊は、そこを突破口として基地内部に深く潜入していった。

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ソロモンの危機を知ったキシリアは、マ・クベ司令を中心に救援部隊を急遽編制してドズル中将救出へと向かわせた。

宇宙要塞ソロモンの基地内部に潜入した連邦軍は、いまだかなりの戦力を有していることに驚いていた。ドズルは自ら新型モビルアーマーであるビグザムに搭乗して連邦軍を迎え撃った。彼が逃がした妻のゼナと娘のミネバは、マ・クベ艦隊によって救出された。

すでに味方の艦艇の4分の3が使えなくなっていたドズルは残りの戦艦すべてで敵陣の中央突破を図れと命令した。ソロモンを脱出したジオン軍に対し、ティアンム司令はソーラレイシステムでの攻撃を命令した。これによりジオンの艦隊の大半は失われた。

敗北を悟ったドズル以下は連邦軍艦艇に対して特攻を敢行、ドズル自身もビグザムを使って後方の司令旗艦に狙いを定めて突撃していった。

圧倒的なビグザムの威力を誰も止められないとみたスレッガーは、ガンダムにドッキングを指示、ビグザムが発する強力な磁場の内側に飛び込んで至近距離からビームを撃ち込もうと提案した。

G-アーマーに変形したアムロとスレッガーは下方より接近してビグザムに取りつくことに成功した。スレッガーはビームを撃ち込むもののビグザムの爪によってコクピットを破壊されて死亡。アーマーから脱出したアムロは排気口にビームを撃ち込み、コクピットをビームサーベルで斬りつけた。

たった1機のモビルスーツによってビグザムが倒された事実が受け入れられないドズルは、コクピットを出てマシンガンでガンダムを撃ち続けた。アムロはその背後に黒い影を見る。

ドズルはビグザムの破壊と共に宇宙に散っていった。

という話。スレッガーが死ぬ前に言った「悲しいけど、これ、戦争なのよね」が有名な回だが、カムランと共に退場する運命だったスレッガーよりドズルの背後に出現した悪霊のような影とそのあとガンダムが離脱する前にアムロが先にその場を離れたかのような演出が好きで、以後この場面と同じくらい優れたシーンがないか探し続ける運命を背負わされた。

久しぶりに観たけどこれをアニメ監督ならだれでも思いつけると思ってる人間は本当にどうかしている。こんな演出ができる人間がいないから有望コンテンツで続編が数多く作られながら誰も満足できないというのに。安彦良和はクレバーな人物であるが、こういうことは考えつかない。

一瞬で爆発を察知してガンダムが脱出するより早く幽体のようにアムロだけが画面手前に上昇してくるあのほんの数秒を、誰も思いつけず、真似しても同じ効果が出ないのに。

制作予算だけ出せばだれかが勝手にこの演出を考えてくれて、作品が生み出す利益は全部オレのものなんて世界では優れた映像作品など残せないのだ。

この36話くらいから最終回までの「機動戦士ガンダム」は神懸ってるといっていい。





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「機動戦士ガンダム」(1979年作品)第35話(ソロモン攻略戦) 感想 [アニメ/特撮]

サイド6を出てティアンム艦隊のワッケン司令と合流したホワイトベースは、ジオンの要塞ソロモンを攻略すべく作戦行動に移った。

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横一文字になった隊列からパブリク突撃艇による攻撃で開始された戦闘は、連邦軍がビーム攪乱幕を張ってモビルスーツ戦へと持ち込まれた。

連邦軍からはジム、ボールが出撃し、ソロモンからはザクとリックドムがこれに応戦した。ホワイトベースからも全機出撃した。意外な苦戦にジオンのドズル中将は愛妻と愛娘を脱出カプセルへ避難するよう指示してから司令室へと戻った。

そのときだった。ティアンム艦隊本体がサイド1の残骸の影から出てきて何かの工作を行っていることが確認された。ドズルは本体への攻撃命令を出した。そこに襲ってきたのは謎のエネルギー反応であった。ソロモンの第6ゲートはこの熱エネルギーによって破壊されてしまった。

連邦軍が使用した兵器はソーラレイシステムであった。太陽熱によって焼かれた第6ゲートを突破口として連邦軍のモビルスーツ隊がソロモン内に潜入していく。

状況悪化を感じ取ったドズルはゼナとミネバの脱出艇を発進させるように命令する。決戦を覚悟したドズルは新型モビルアーマー・ビグザムの完成を急がせた。

という内容。マジで面白い。40年前の作品だからいま観てもそれほど感動などしないだろうなと再視聴を避けてきたが、とんでもなかったな。やはりガンダムは面白い。

オリジンやUCの成功もあって、そろそろファーストも綺麗な絵でリメイクすべきじゃないかとの意見がある。オレも賛成ではあるのだが、誰が監督をやるかとなるとこれがいないでしょうと。思い当たる人がいない。サンライズの中に期待の若手でもいれば別だけど、いるのかねぇ?

いろいろ考えても思い当たらない。富野ガンダムに対して新監督ガンダムを作るのはリスクが高すぎる。かといってこれだけ作家性の高い作品をまるっきりそのままコピーした作品にしてもおそらくは同じにならない。「スター・ウォーズ」の新作と同じで悩ましいところではある。

全50話くらいでとか、要求は贅沢になるし、かといってリメイクでどれほどのリターンがあるか未知数だし、いまのリスクを避けてビジネスする風潮ではかなり難しい。監督なんかだれがやっても一緒だって思ってるのはレベルの低い視聴者だけだから、一般公開すると作品の出来不出来はあからさまになってしまう。

当時のコンテを映像部分だけ改変する形で進化させて(つまりレイヤーを増やして効果を付け加える)、12話1クール分くらいオリジナルを入れて有名パイロットのエピソードを違和感なく入れ込むとか、そういうやり方しかないんじゃないかと考えてしまう。

でも1番インパクトがあるのは、ファーストガンダムをベースに若手監督がオリジナル展開して富野作品を超えるものを作り出すこと。そうなれば万々歳なんだけど・・・、なんでゆとり教育なんてやったかね。ゆとり教育は子供の可能性を幼少時から叩き潰す行為だよな。

そう言えばMSVシリーズが発売されたときに、ジョニー・ライデンとかシン・マツナガが主役の新シリーズができるって噂が流れたことあったわ。子供の噂話なんだけど、めっちゃ興奮したことを覚えている。

ファーストリメイクよりそっちの方が監督としてはやりやすいだろうね。





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「さらざんまい」(2019年春作品)第8話 感想と考察(悠のミサンガだった) [アニメ/特撮]

一稀に大事なものを捨てさせたのが弟の春河で、悠に大事なものを捨てさせたのが兄の誓。

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春河と誓って本当に生きてるのかな? 春河は交通事故で、誓はヤクザの抗争に巻き込まれてすでに死んでるのかもしれない。一稀と悠は自分が1番大切なものを捨てればもう1度繋がれる、死んだ兄弟が生き返る、勝手にそう思い込んで自分が大切にしているものを捨てて孤独になっただけなのかも。

とっくにカッパゾンビだったのかも。

真武もすでに死んでいるから、死んだ人間を生き返らせる何かをケッピが知っていて、その秘密に迫りたいと思っていたのにフリーズされてしまってそこにクロケッピ登場で生き返らせたい人が逆に死ぬか、その人との関係が切れてしまうみたいな展開を予想。

幾原邦彦監督の作品で展開予想しても当たらないけどな。

あーやっぱり真武のことを考えると春河と誓は死んでるっぽい。




















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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:70(Gレコ2次創作 第25話・前半) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム レコンギスタの囹圄」


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第25話「ニュータイプの導き」前半



(OP)


クリム・ニックを慕ってゴンドワンから流れてきた若者の多くは、北方地区出身で全球凍結を恐れ流民となった家庭の子供たちであった。彼らの中にはクンタラ国建国戦線に家を追われたものも多数いた。彼らは北方地区がクンタラの支配地域になっていることを知っていた。

彼らの話は口コミで拡がり、クリムトン・テリトリィにやってきたゴンドワンの若者たちはクンタラを激しく憎むようになっていた。

そこに法王庁よりゴンドワン政府がクンタラ支配地域において核爆発をさせたことを非難する声明が出された。

彼らが歓声を上げて喜んだのも無理はなかった。彼らは自分たちの国の放射能汚染を悲しむよりも、侵略してきたクンタラたちが死んだことを喜ぶようになっていたのである。

いまや法王庁は旧キャピタル・テリトリィの住人であるレジスタンスも、アメリア政府も、ゴンドワン政府も支持していなかった。法王庁が唯一認めているのはクンタラ国建国戦線だけになっていた。

そんな状況を、ケルベス・ヨーは怪しんでいた。人類に根強く残るクンタラ差別を法王庁が利用して、争いごとを引き起こそうとしていると考えたのだ。

このまま人類の多数が法王庁とクンタラに対して憎しみを募らせ、戦う姿勢を示した場合どうなるのか。ジムカーオ大佐は相手を戦いに引きずり込んで最終的に勝利する独特の戦い方をする不気味な人間であった。彼は人類にもう1度クンタラ差別を根付かせようとしている・・・。

ケルベスの心配は、キャピタル・タワーを自分たちが破壊したように工作されてしまうことだった。キャピタル・ガードの教官だった彼が教え子たちを率いてタワーを破壊したなどと宣伝されては浮かぶ瀬もない。かといってこのまま何もしなければ、最後にはエネルギーが尽きて敗北してしまう。

エネルギーは戦っても戦わなくても消費されていくのである。

法王庁の人間はタワーに立て籠ったまま姿を現さなかった。ケルベスは総攻撃を慎み、じりじりと支配地域を取り戻していった。都合上ミラーシェードと名乗っているクリム・ニックは、単身街へ侵入してゴンドワンの若者たちに正体を明かし、レジスタンス側に寝返らせる作戦を実行中であった。

問題なのはもう一方のクンタラの若者たちをどう説得するかであった。彼らはいま勝利に酔いしれている。クリムトン・テリトリィはルインが戻り次第クンタラ国になるのだと信じて疑わなかった。

そのルインは宇宙へと連れ出され、おそらくは戻ってこないだろう。テリトリィ内にはルインの妻であるマニィとその娘が大邸宅で暮らしている。彼女はクンタラの英雄の妻だ。

ケルベス「現在の状況はゲル法王が戦争を止めない地球人に失望してトワサンガへ亡命したというストーリーの上に成り立っている」

彼の目の前にはレジスタンスの代表とキャピタル・ガードの教え子たちが立っていた。

ケルベス「法王庁が多くの談話を発表しているのは、ゲル法王猊下の代理として談話を発表しているわけだ。そして最初にアメリアが非難された。同盟を組むムーンレイスも非難された。そしてゴンドワンが非難された。次はどう考えても我々キャピタル・テリトリィの人間なのだ」

トリーティ「つまり、我々が総攻撃を仕掛けると彼らはタワーを破壊してそれをガードの攻撃によるものと発表するわけですね。汚いにもほどがある」

レジスタンスA「法王庁はクンタラと組んで地球を支配させるのでしょうか?」

ケルベス「いや、おそらく法王庁はルインにベルリを殺させるように仕向けていると思う。ベルリはトワサンガの王子だ。ベルリがルインに殺されれば、ルインはトワサンガの秩序回復を妨げた重罪人の烙印を押される。そしてクンタラとの歴史的和解は破棄される。そして姉のアイーダさんも非難される。彼女はすでにトワサンガ住人を殺したことにされているから、ベルリを殺した黒幕はアイーダさんと宣伝される可能性すらある。この一連の騒動がトワサンガの王位をめぐる争いだと人々に信じ込ませれば、アイーダさんは殺され、法王と法王庁は地球人への支援を打ち切ると発表してトワサンガの支配者となる。もちろん真実を知るゲル法王も殺される。この筋書きならば、フォトン・バッテリーが配給されず、地球はやがて原始時代に戻るのだから、トワサンガと地球が彼ら法王庁のものになるわけだ」

トリーティ「ぼくにはそんなまどろっこしいことをやる意味がわかりませんが」

ケルベス「ビーナス・グロゥブへの言い訳なんだ。もしビーナス・グロゥブがフォトン・バッテリーの配給を再開しなければ、トワサンガを抑えてもいずれは干上がる。連中がムーンレイスの月面基地を攻撃してこないのも、ビーナス・グロゥブを騙せなかった場合の保険として、ムーンレイスの発電技術を残したいからだろう」

ワシントンへ移ったアイーダから詳しい連絡が入ったのは昼過ぎであった。∀ガンダムはハリー・オードのオルカ2隻が交戦して南下を抑えてくれている。

トリーティ「だからこそ基本に返って、ぼくらはタワーを守る仕事に専念すると」

ケルベス「そうだ。本当に悪いが、∀ガンダムがこちらに近づいてきたらターンXと交戦になってタワーは必ず被害を受ける。お前しか頼める人間はいないんだ、トリーティ」

トリーティ「死ぬ覚悟はできています」

彼はここ数日間、ターンXの操縦について訓練を受けていた。そしていよいよ出撃することになったのだ。敵は徐々にアメリアに迫りつつある∀ガンダムと10機のYG-201であった。

ケルベス「YG-201に対抗するのはポンコツのカットシー5機だけだ。レックスノーは地上の防衛に専念させる。少ない戦力ですまんが、何とか抑えきってくれ。その間にオレは必ずキャピタル・タワーを取り戻す。ゴンドワンもクンタラも味方につけてな!」

トリーティを含む若者たちだけで構成された部隊は、ムーンレイスの救援と補給を任務にすぐさま出発していった。

ケルベス「さて、こうなるとあの晩のクンタラの若者たちを殺した事件が悔やまれる。あれでクンタラたちはこちらに警戒心を持ってしまった。さて、どうしたらいいものか・・・」







薔薇のキューブが動き出したとの知らせが入ったムーンレイスの月面基地は慌ただしく動き始めた。

敵の狙いが絞り込めないアメリア・ムーンレイス連合軍は、シラノ-5をいったん放棄して月面基地の防衛を固めながら各戦闘艇の準備を急ぐことになった。

外宇宙からの帰還船でもある薔薇のキューブは、その出力のごく一部を使ってゆっくりと地球に向かって移動していた。その周囲にはシルヴァーシップが2重の円陣を張って防衛している。この陣形が容易に突破できないのはすでに1度戦ってわかっていた。

最大限の警戒態勢の中、薔薇のキューブは悠然と月を離れて地球を目指した。それを見たディアナは全軍の4分の3を追撃戦に投入する決断をした。調査によってサウスリングの住民以外のトワサンガの生き残りはいないとわかっている。残る4分の1は月面基地に残されるムーンレイスの民間人を守る役目を負った。

その中にはタワーの運航長官であるウィルミット・ゼナムやリリン、サウスリングの住民たち、ジャン・ビョン・ハザムなどがいた。しかし軍人ではないゲル法王はメガファウナに乗り込み、地球に戻るといってきかなかった。法王に乗り込まれたメガファウナは大騒ぎになって出港が遅れてしまった。

副艦長「法王猊下、そうはおっしゃいましてもスコード教教会そのものがあなたの敵に回っているのですよ。法王庁もそうです。こういっちゃ悪いが、あなたひとりで何ができるというのです?」

ゲル法王「わたくしができることは数多くあります。そのひとつがアメリアのアイーダ総監への誹謗中傷の疑惑を晴らし、赦しを与えることです。それでもこの船に乗せてはもらえませんか?」

そう言われてしまうと断ることもできず、ゲル法王はメガファウナで1番まともな客室を与えられることになった。

ノレド、ラライヤ、ハッパの3人はG-アルケイン、G-ルシファーと共にメガファウナに乗り込んだ。ノレドと顔を合わせたベルリは嫌そうな顔をした。

ベルリ「なんで月に残らないんだ? ノレドは非戦闘員じゃないか」

きつい言葉を浴びせられたノレドは自信なさげに俯いてベルリのそばを離れてしまった。一緒にいたラライヤがすれ違いざまにベルリに対してキッと睨みつける。

ベルリ「なんだい、あいつ。人が心配してやっているのに」

第1種戦闘配備の指示が艦内に鳴り響くとメガファウナの船内も慌ただしくなった。月の裏側の基地に入港していたメガファウナは30隻のオルカと共に漆黒の宇宙へと出撃した。

月の表側の基地からはディアナ・ソレルの旗艦ソレイユを中心とした大艦隊が月の引力圏を脱して薔薇のキューブとシルヴァーシップの艦隊を待ち受け、アメリア・ムーンレイス連合艦隊はジムカーオ大佐率いるエンフォーサーの集団を挟撃する形になろうとしていた。

一見戦力は均衡しているように見えるが、メガファウナのブリッジに上がったハッパの報告はドニエル艦長以下ブリッジクルーを驚愕させるに十分だった。

ハッパ「間違いないですね。薔薇のキューブはそれ自体が膨大な生産設備で、船が撃沈されるごとにすぐさま新しい船を生産して補給するんですよ。だからいくら戦っても相手の数は減らない」

ドニエル「こっちは減る一方だってのに? たまんねぇ話だな」

副艦長「だとしたらなぜこちらと同数だけ揃えるんだ? どんどん増やせばいいじゃないか?」

ギセラ「(指先で頭を抑え)だから目的が違うんですよ。もしくは勝つことの基準が違う」

ドニエル「本当にややこしい連中だな。それでハッパはどう考えているんだ?」

ハッパ「鍵はニュータイプとエンフォーサーだと思います。シルヴァーシップはエンフォーサーの集中管制で無人機、しかもおそらくは思念で連動しているのでミノフスキー粒子は関係なく相互に連絡が取り合える。YG-201にはエンフォーサーは乗っていませんが、遠隔操作でしょう。同時にエンフォーサーは思念の入れ物でもある。極端な話、メガファウナのクルー全員がニュータイプになってエンフォーサーの中に入ってシルヴァーシップをコントロールできれば攻撃能力を持たない薔薇のキューブは簡単に乗っ取れる」

ドニエル「つまり・・・ギセラ!」

ギセラ「ジムカーオ大佐にとって重要なのは、わたしたち人類がニュータイプになれるかどうかを見極めるってこと? 領土とか政治的野心がまったくない人だってこと?」

ハッパ「ラライヤにも結局何もしてないんですよ。彼女に誰かの思念が入っているとわかったら、すぐに興味をなくした。ちなみにラライヤに入っているのは彼女によく似た美人さんです」

副艦長「(頭を掻きながら)宇宙世紀復活派というのは?」

ハッパ「宇宙世紀って元々は人類の宇宙進出に際して地球にあったそれまでのいざこざを忘れて新しくやり直そうって意味でしょう? 月に初めて人類が降り立った日が宇宙世紀元年なのかどうかはわかりませんが。そして100年以内にニュータイプが生まれた。宇宙世紀復活派というのは、その時代に戻ろうという意味で、戦争を継続しようという意味じゃないのかもしれない」

副艦長「(口をすぼめて難しい顔をしながら)軍産複合体というのは?」

ギセラ「(ポンと手を叩き)それがビーナス・グロゥブのヘルメス財団や法王庁じゃないの? だからレイハントンは彼らと敵対していた。リギルド・センチュリー1000年の年にヘルメスの薔薇の設計図がばら撒かれてビーナス・グロゥブのヘルメス財団が動き出した。だからレイハントンは何らかの対抗手段を講じようとした。それに危機感を持ったビーナス・グロゥブのヘルメス財団が裏で手を引いてレイハントン家を打倒した。(ドニエルを指さしながら)でもそこには競争の概念が欠如していたのでクンパ大佐はふたりの子供を逃がした」

ドニエル「(イライラしながら)だから勝つにはどうしたらいいんだよ!」

ハッパ「(胸を張って)ニュータイプに進化すればいいんですよ」

ドニエル「(がっくりと肩を落とし)オレにそんなことできると思うか?」

副艦長「(ハタと気づき)もしギセラとハッパの話が本当なら、ビーナス・グロゥブの軍産複合体はノレドが一掃しちまったってことじゃないか。それで人間タイプのエンフォーサーが反乱を起こしたからキルメジット・ハイデン新総裁は連中がトワサンガに逃げないようにクレッセント・シップとフルムーン・シップをこっちに預けた。そうなる。ノレドはこれ、大手柄どころじゃないぞ」

ギセラ「人間タイプのエンフォーサーは2万人くらいいたんでしょ? そいつらはニュータイプなの? トワサンガの薔薇のキューブにもそれくらいいた?」

ハッパ「数えてはいませんが、数はそれくらいでしょうね。ラライヤが捕まっていたときに覚醒したらしくて、そのときの感触だと彼らはニュータイプとは違うってことです」

ドニエル「ニュータイプになってエンフォーサーを止めるって手立て以外に戦う方法はないのかよ。そもそも連中は地球へ行って何をしようってんだ!(モニターに眼をやり)なんだって? 薔薇のキューブからなんか出たって? 例のカブトガニか?」

望遠モニターで捉えられた映像には、薔薇のキューブから飛び立っていくザム・クラブが映し出された。それに重なるようにディアナの映像が映し出された。

ディアナ「地球よりカシーバ・ミコシがこちらに向かってきているようです。スコード教の船ですが、ハリーの報告で武器を密輸していることが確認されています。攻撃してよろしい?」

ドニエルは返答に困って副長に助けを求めた。彼はギセラに助けを求めるが無視された。ドニエルは顔を真っ赤にして悩みぬいた末にこう叫んだ。

ドニエル「(ディアナに向かって)待ってくれ。おそらくムーンレイスが攻撃するとややこしくなるはずだ。いったんこちらに任せてくれないか。よし、メガファウナ最大戦速! 薔薇のキューブを追い越してカシーバ・ミコシと接触する! オルカはディアナ艦隊と合流!」







カシーバ・ミコシの客室でゆったりと時間を過ごしていたルイン・リーは、突然鳴り響いた警報に驚いて飛び上がった。

ルイン「何事か!」

法王庁職員「前方より巨大MA接近。何者かわかりません」

ルイン「よし、オレが確かめる。G-シルヴァーの準備を急げ!」

ルインはクリム・ニックから引き継いだG-シルヴァーに大きな自信を持っていた。いままで乗り継いできたどのモビルスーツよりも高機能で運動性能が高いのは間違いない。ルインはベルリと同等の性能の機体に乗れば、自分は絶対に勝つはずだと自分に言い聞かせた。

カシーバ・ミコシから出撃したルインは、前方から高速で接近してくるカブトガニのようなMAと撃ち合いになった。MAはファンネルを放出した。小さな卵のようなファンネルは小刻みに動きながらG-シルヴァーを包囲して一斉に射撃をした。ルインはそれを避けることができなかった。

一瞬で20以上の直撃を喰らったルインは、てっきり自分はここで死ぬのだと思った。ところがファンネルのビームは威力が弱く、機体に大きな損傷はなかった。敵のMAは卵のようなファンネルを再び腹の中にしまい込んで動かなくなった。

ルイン「こいつ、遊んでいるのか?」

MAのコクピットが開いた。そこにいたのはバララ・ペオールであった。ルインは唖然と彼女を眺め、ゆっくりと機体を接触させた。

ルイン「バララ・・・、生きていたのか?」

バララはそれに応えなかった。彼女は再びコクピットを閉じ、G-シルヴァーを装甲の繋ぎ目に手をかけさせたまま一気に加速をかけた。ルインはMAに手をかけて接触回線を開いたままバララに呼びかけ続けた。その目の前に、赤い戦艦が近づいてきたのをメインカメラが捉えた。

ルイン「メガファウナ? そうか、バララ。ベルリのところに連れて来てくれたのか。ようし、オレはあいつを倒して宇宙に秩序を取り戻す。もうお前は戦わなくていいんだ、バララ」

メガファウナから、一筋の光が射出された。ルインにはその光の正体はすぐに分かった。出撃してきたのはG-セルフに間違いなかった。ルインはザム・クラブから手を放し、ベルリのG-セルフと正対したまま突っ込んでいった。

そのころメガファウナの中では慌ただしくラライヤが出撃しようとしていた。彼女はG-アルケインのコクピットに収まり、ハッパの指示を受けていた。

ハッパ「カブトガニにエンフォーサーが乗っていた場合はベルリが取り込まれてしまわないように気をつけて。バララ・ペオールだった場合は、彼女は君がされたような実験をされた可能性がある。強制的にニュータイプの思念を入れられてしまったんだ。できれば彼女を助けて、メディー先生に診てもらおう。誰の残留思念なのかが気になる」

ラライヤ「了解です。(ハッチを閉じる)ラライヤ、行きます!」

そのころ、ドニエルの独断でカシーバ・ミコシの去就を預かることになったメガファウナのブリッジは、どう事態を収拾するか侃々諤々の議論になっていた。

ギセラ「(顔を真っ赤にして)カシーバ・ミコシと言ったって法王庁が武器商人みたいなことをしているのに守ってやる必要はないでしょうが!」

ドニエル「(焦りの表情で)んなこと言ったって、武器を運んでいたって証拠はないんだからまたジムカーオに利用されちまうじゃないか! アメリアの戦艦がカシーバ・ミコシを破壊したなんて宣伝されたら姫さまの立場はどうなっちまうんだよ! 乗り込んで白兵戦だ!」

副艦長「ハリー隊長が攻撃したときは、左にモビルスーツ、右にシルヴァーシップが隠れていたっていうじゃないですか。シルヴァーシップはそのあとクリム艦隊と接触してシラノ-5に入っている。モビルスーツをタワーで降ろしているとすると中は空のはず。白兵戦でもいけないことはないか」

ドニエル「(ホッとした表情で)ほらみろ」

ギセラ「ザンクト・ポルトはジムカーオの軍隊に占領されていたんですよ。なかが戦闘員だらけだったらどうするんですか!」

副艦長「その可能性もあり得る」

ドニエル「うぬぬぬ!(顔を真っ赤にして)よーし、わかった。副長、お前ちょっとゲル法王猊下のところへ行って、カシーバ・ミコシの格納庫だけ吹き飛ばしていいか訊いてこい。カシーバ・ミコシはデカいがほとんどは格納庫だ。とりあえず左右の大きな部分だけ攻撃する。これでいいか?」

ギセラ「承知!」

ドニエル「ステア、カブトガニから離れてカシーバ・ミコシに近づけ。主砲スタンバイ。(モニターにゲル法王と副長の姿が映り、指でOKサインを出す)主砲、撃てー!」







G-セルフとG-シルヴァーは互いを牽制し合いながら距離を取ってビームライフルを撃ち合っていた。バララのザム・クラブはファンネルを放出してベルリを攻撃したが、ベルリはG-シルヴァーの砲撃をかわしながら同時にファンネルのビームも避けて2機のファンネルを撃ち落とした。

それを見たルインは自分に出来なかったことをいともたやすくやってしまうベルリに激怒すると、ムキになってビームライフルを乱射した。

ルイン「バララは下がれ! 邪魔をするな! あいつはオレが仕留める!」

そこに遅れてラライヤのG-アルケインが戦闘に加わった。ラライヤはムーンレイスから提供されたハンドビームガンでさらに5機のファンネルを撃ち落とした。するとザム・クラブはファンネルを放棄してG-アルケインに突撃してきた。ラライヤは回転してそれを避けると、ザム・クラブの腹に1発を命中させた。火花が一瞬大きな炎になったがそれはすぐに鎮火した。

ラライヤが戦場に参戦してきて、ベルリは自分の知覚がクリアになる感覚に襲われた。感覚の靄が晴れ渡るような感じがした。そして彼は、G-シルヴァーのパイロットがルインであることと、ザム・クラブのコクピットにバララが座っているのを見た。ベルリは自分の眼に見えているものに驚いた。

ベルリ「ラライヤ!」

ラライヤ「相手はルインさんです。こっちはバララ・ペオール。見えていますか?」

ベルリ「(怒って叫ぶ)ルイン先輩なら目を覚ましてくださいよーー!」

ベルリの叫びを、一瞬だがルインも察知した。しかし同時にメガファウナから発射されたメガ粒子砲が彼らの頭上を通り越してカシーバ・ミコシを直撃するのを目の当たりにして彼は再び怒り狂った。

ルイン「オレたちクンタラがスコード教のご神体を守ってやっているのに、お前たちは攻撃するのか! クンタラに穢された御神体なら壊していいとでも考えたのかッ!」

ルインの怒りはベルリとラライヤにも伝わった。ふたりは口々にそれは違うと否定した。だがその声はルインに届かない。ミノフスキー粒子はふたりの声を拡散させて遮断した。ベルリとラライヤに見えているものがルインには見えなかった。G-セルフのコクピットの中でいくら叫んでも、悲しみの声はルインには聞こえないのだった。人はなんて孤独なのか、ラライヤは愕然とした。

G-シルヴァーはザム・クラブに守られながらカシーバ・ミコシまで撤退した。そこにメガファウナの第2波が放たれ、格納庫のハッチが大爆発を起こして船体側面がめくれ上がった。

ルインはカシーバ・ミコシのブリッジに手を置いて接触回線を開いた。

ルイン「敵はこいつを破壊するつもりだ。戦艦や武器などは積んでいるのか?」

法王庁職員「(震えながら)まさか・・・、カシーバ・ミコシは御神体です。武器などは・・・」

ルイン「なに? 何も積んでいないのか? では脱出艇でいますぐ逃れるんだ。殺されてしまうぞ」

法王庁職員「いえ、それがジムカーオ大佐がゴンドワンのクンタラ国建国戦線に提供する兵器を優先するからと、脱出艇をすべて撤去してしまいまして・・・。ないのです。1艇も、ないのです!」

ルイン「まさか丸腰で運用していたのか? あの聡明なジムカーオ閣下が? あの方はそこまで人類を信用して下さっていたというのに、(メガファウナを振り返る)お前たちアメリア人はッ!」








ベルリとラライヤは揃ってメガファウナに引き返してブリッジに手を置き、接触回線を開いた。

ベルリ「(憤怒の表情で)カシーバ・ミコシは丸腰なんですよ! なぜ攻撃したんですか!」

ラライヤ「(慌てふためき)ベルリ、落ち着いて!」

ベルリ「(怒りは収まらず)スコード教の御神体なんですよ! なんてことをしてくれたんですか!」

ドニエル「(冷静に言い返す)ゲル法王猊下の許可はいただいている。武器を積載していないか左右の側面を壊しただけだ。慌てるな、ベルリ!」

ラライヤ「そうですよ! ベルリさん、落ち着いて。この空間は何かがおかしいんです。エンフォーサーとは違うものが渦巻いている気がします。あのバララさんだって・・・」

ベルリ「バララ・ペオール!」

ベルリが怒りにまかせてG-セルフのメインモニターをザム・クラブに振り向けたとき、また感覚が明瞭になるかのような現象が起こった。ベルリはふと冷静になって、破壊された側面が燃え上がるカシーバ・ミコシを見た。そこには黒く渦巻く何者かの思念があった。

思念の中心にはザム・クラブのコクピットがある。しかしバララ・ペオールがその憎悪の思念を発しているわけではなかった。その身体の内にいる何者かの思念に、バララ・ペオールは絡め捕られているのだ。彼女はユグドラシルに搭乗してからずっとおかしかった。

ベルリ「あれか・・・、あいつがみんなをおかしくしているのか・・・」

ラライヤ「ユグドラシルにエンフォーサーユニットがついていたとしたら、何者かの悪い残留思念があの人の肉体を乗っ取った可能性もあります」

ベルリは機体を加速させてザム・クラブとG-シルヴァーに迫った。ラライヤもその後を追った。

ふたりが離れたメガファウナのコクピットに、ディアナ・ソレルからの通信が入った。

ディアナ「薔薇のキューブが加速しました。食い止めようとしていますがシルヴァーシップを突き崩せません。戻ってきてもらえますか?」

ドニエル「もう少し待ってくれ。こちらが片付いたらすぐに救援に向かう」

ディアナ「よろしく」

ドニエル「ギセラ! カシーバ・ミコシの格納庫に何かあるか?」

ギセラ「いえ、何も。あ、いま停電しました」

ドニエル「丸腰なんだな。よし、それならもう十分だろう。ディアナ艦隊の救援に戻るぞ」

メガファウナが180度回頭するさまを確認することもせず、ベルリとラライヤは接触回線を開いてザム・クラブの様子を探っていた。G-セルフとG-アルケインは手を繋いだままジッと敵を観察した。

ザム・クラブが発するどす黒い憎悪には、空間を歪めるほどの威力があった。その残留思念は強大で、周囲を圧する力があった。

ベルリ「あいつを何とかしなきゃいけない」

ラライヤ「ええ」







だがふたりはその様子を遠くで見つめている視線には気がついていなかった。

薔薇のキューブの中で多くの職員たちと食事を摂っていたジムカーオは、ふいに呆れたように両手を広げてスプーンを放り出した。

ジムカーオ「あの男もニュータイプじゃないのか? やはり地球育ちではダメなんだろうな。ルインですらこれほどまでに鈍感なのに、レイハントンはよくもまぁ500年も猶予を取って待たせてくれたものだ。ヘルメス財団1000年の夢が聞いて呆れる。人間は原始時代からまるで進歩などしていないではないか。やはりオールドタイプは絶滅させるしかない。地球文明再興派の子孫など最初から皆殺しにして地球を奪っていけばよかったのだ。大執行を一方的な虐殺にしないためにわざわざニュータイプを探してやったのに、見つかるのは強化人間の残留思念と悪意ある人間の残留思念ばかりだ」

今来・女性「虐殺の汚名を着るとフォトン・バッテリーの配給は望み薄になりますね」

ジムカーオ「ビーナス・グロゥブのラビアンローズは内部が破壊されてしまったそうだから、こっちまで攻めてくることはないだろうが、なぁに、文句を言ってきたらレコンギスタ派でも焚きつけてラ・ハイデンを失脚させてやるさ。向こうの連中は金星暮らしに心底懲りごりしているんだ。地球人を皆殺しにし、レイハントン一味を排除して、レコンギスタさせたのちにムーンレイスの技術で文明を再興させれば文句は言わないだろう。ディアナ・ソレルとは話したが、あれは賢いから戦争が終われば条約は締結できる。心配はいらんよ」

今来・男性「結局我々は500年間待たされただけですか。そんなに我々のアンドロイド技術を怖れたんでしょうかね?」

今来・女性「モビルスーツで戦争なんかやっているから強化人間という発想になる。真のニュータイプ研究を突き詰めて完成させた我々の敵じゃなかったんですよ。ただわたしたちは遅れて戻ってきただけ。ニュータイプを長年食べてきたわたしたちが1番進歩しているに決まってるじゃないですか」







メガファウナに残ったノレドは、G-セルフとG-アルケインが、つまりベルリとラライヤが手を繋いでいる様子を小さなモニターで眺め、見送っていた。

彼女はパイロットスーツを着てモビルスーツデッキにいた。彼女のそばにはコクピットを再び封印されたG-ルシファーがある。

ノレド「なんであたしはニュータイプじゃないんだよぉ。なんでラライヤとベルリなんだ? なんであたしじゃダメなんだよぉ。誰かあたしの死に場所を教えておくれよ・・・」

メガファウナはカシーバ・ミコシとふたりの仲間を残したままどんどん遠ざかっていった。


(アイキャッチ)


この続きはvol:71で。次回もよろしく。



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「はんなり」(2006年作品)感想 [ドキュメンタリー]

曽原三友紀監督によるドキュメンタリー映画。アメリカで女優をやっている人らしい。

とかく勘違い、それもかなり悪質な勘違いをされることが多い芸者というものの本当の姿を伝えるために作られた映画で、当り前のことだが芸者が売春婦ではないこと、花街が深く文化に根差した場所で多くの職人によって支えられていることなどが紹介されている。

これは日本人というよりアメリカ人をはじめとした外人に見せなきゃ意味をなさないドキュメンタリーであるが、芸者のイメージを使って日本が少女売春をさせていると海外に宣伝している反日マスコミ、反日弁護士への牽制にもなる素晴らしい作品であった。

芸子さんたちの大変な日常を追いつつ、歴史的な位置づけ、客層がどんな人たちなのか、一般的な日本人にどのような興味の持たれ方をしているのかなど重要な視点がたくさんあるが、一方で海外での勘違いや悪評に対しての攻撃的な言説はされていない。

感想としては、京都にはやはり映画文化が必要だと感じたことかな。東映などに頑張ってもらって時代劇復活を願いたいところだが、原作がなく、脚本家もいないのが現状。

なんとか京文化を守っていきたいものだが、現実はなかなか厳しい。





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「イン・ヴォーグ:ザ・エディターズ・アイ」(2012年作品)感想 [ドキュメンタリー]

革新的ファッション誌「ヴォーグ」の歴代編集者のインタビュー。

これを視聴した感想は「日本のファッション誌の編集者と全然違う」でした。日本のファッション誌は流行を作り、でっちあげて物を買わせることが目的になっておりますが、「ヴォーグ」は革新思想に満ちた提言と最新のマーケティングの実験場のような雑誌だったようだ。

日本の雑誌はあくまで学ぶ側であって仕掛けるのは国内だけ、それでもTOKYOを売り出しているときはまだしも、経済の混迷から生み出すリスクを取らなくなって死滅した感じになってるんですかね。マーケティングに特化したファストファッションの隆盛も追い打ちをかけたでしょうし。

ヴォーグ誌を飾った写真の数々が紹介されているのが面白かった。こうしたアート的な写真をやろうとしたのは渋谷陽一の「H」とか「CUT」とかで、あれはインタビューも写真も本当に充実していて面白かったな。「SIGHT」以降は追いかけていないが、「SIGHT ART」はぜひアート系を目指している若者には手元も置いて欲しい1冊だ。

鮮やかな緑色の軍服調の衣装に真珠のネックレスを合わせた写真は学生のころに目にして強く印象に残っていた。このドキュメンタリーの中でも一瞬だけ映っているので探して欲しい。

女性を美しく撮るとことからシチュエーションをシュールな演出に変化させたこと、スタジオ撮影が基本だったモデルを屋外に出してファッションをストリートに持ち込んだこと、太陽光の中で映える色合いの追及など刺激的で革新的な仕事がたくさん紹介されている。

そして刺激からナチュラルの表現へと時代は変わっていき、「飾らない自分」がファッションになったことで芸術的な題材は服飾から失われ、ファストファッションの隆盛を招いてしまった。ストリートがコンサバティブなファストファッションで溢れたことで、再びアートは屋内に閉じ込められていく。

さらに最悪なのは、社会があまりに大きな変化に晒されてしまったことによる反動が起き、ヴォーグ誌は「アメリカ」という殻の中に閉じこもり、本人たちがそうと気づかないうちに排他的になっていく。

これが起きたのが00年の初頭のころ。ファッションの牽引役だったフランスが60年代を境に凋落し、次に牽引役となったアメリカが00年代に凋落した。次を探した人々は日本に注目するがすぐに失望してしまった。政治の混乱と長引く不況は日本の評判を地に落としていった。

いま、ファッションの牽引役はいない。日本のファッション業界はずっと翻訳するだけの業界だったので近くて安いという理由で韓国を持ち上げようとしているが、あのキムチどものセンスは壊滅的なのだからあいつらの不細工ファッションを流行らせようとするなと。

あいつらのセンスほど人間を醜く見せるものは他にないだろう。

やりつくしたというのもウソ。リスクを恐れて作るのをやめただけなのだ。

現在はファッション不在の時代で、センスを競い合えないために若者たちは価格を競い合っている。コンサバティブなダサいロゴ入りの上着でファッションを競い合っていると思っているらしい。競い合って互いを高めていくことと親の預金額を競い合うのはまるで違った行為なのに、それが理解できない。

このドキュメンタリー映画は最高に面白い。でも本当に面白いのは、自分たちで作り上げていく現場に身を置くことだ。他人の批判を怖れて何も自分で作れないのなら、人生でただの1度も楽しさを味わえないまま死んでいくのだろう。












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「ジェニーの記憶」(2018年作品)感想 [映画]

ジェニファー・フォックス監督が実際に体験した事実を元に作られたドラマ映画。主演はローラ・ダーン。

大人になって何者かになりたいと野心を持つ少女が、乗馬教室の女性指導者と彼女が付き合っていた男性に指導を受けているうちに男性から肉体関係を迫られ、自分が誰かに愛されるとの実感を持った少女は得意げになってこの愛の物語を受け入れる。

ところが大人になってドキュメンタリー作家として自立した彼女はそのことをすっかり失念していた。偶然母がそのときの出来事を記した文章を読んでしまって彼女は完全に忘却した自分の記憶に向き合い、なぜ13歳の少女がレイプされた事実を忘れてしまったのか原因を探っていくことになった。

まずは自分のこと。彼女は自分が平凡な少女になることに我慢できなかった。自分は特別な物語の主人公であるべきだと考えていたのに、彼女には物語がなかった。彼女は自分の物語を欲していた。

そこに、大人の男女2人が関係してくる。乗馬教室の女性指導者は離婚したある男性と肉体関係があった。ふたりは結婚しておらず、自由な恋愛を楽しんでいる特別な存在だった。そしてある日、彼は13歳のジェニーに肉体関係を迫る。

そのことを乗馬指導をする女性はどう思っていたのか。それを探るためにジェニファー・フォックスは当時乗馬教室で一緒だった子供たちと連絡を取って会ってみた。すると、彼女たちも男性と肉体関係を持っていた。指導者の女性は、むしろ男に少女をあてがって自分に振り向いてもらおうとしていたとわかった。

自分は特別な男女と特別な関係をもった特別な少女だったはずが、彼女は醜い幼女趣味の男と、彼に子供を与えてお情けで肉体関係を結んでもらっていた女と醜い関係を持ったただの頭の悪いこまっしゃくれた子供だったと気づいた。

ジェニファーはノンフィクションの映画監督になってそれなりの名声を得ていた特別な自分の特別である根拠が、ある醜いロリコン男と醜い女の影響であることを思い出して愕然とした。

彼女の記憶は、特別になりたいと願う自分自身によって歪められ、忘却されていたのだ。大人になって相手の男が子供に対して行った行為を思い出すと、それを告発しなければいけないはずの自分に気づいた。ところが肝心の少女だった自分は、大人を利用したつもりになって得意になっていたのだ。

未熟で考え足らずだった過去の自分と向き合い、ジェニファーは愕然とした。

という形でまとめてみた。

ジェニーがレイプされたというまとめ方でもいいけども、内容はそう単純ではない。ジェニーは被害者であるがそれを自分では利用したと思っていて、勝ったつもりでいた。ところがジェニーがレイプをレイプだと思わなかったことで、加害者の男はさらに被害者を増やし、それどころか社会的に成功を収めてしまった。

そうやって巨悪をのさばらせたきっかけを作ったかもしれない自分がノンフィクションの映画監督をやっていることの自己矛盾こそが重要だと思ったのだ。

13歳のジェニーは、強い大人だと思っていた人たちが実は弱々しい情けない人間だと自分は見抜いてやったと得意になっている。ところが、問題の本質はそこではなかったのだ。レイプ被害を拡大させてはいけなかった。13歳の自分はそこまで頭が回らず、レイプマンを野放しにして社会的に成功させてしまった。いったん社会的に成功させてしまうと、たかが映画監督程度の自分ではその悪を暴くことはできない。

自分は自分のくだらない向上心のために、多くの女性を傷つけてしまったかもしれない、その苦しみの告白が主題であった。

でも正直言って、リベラルの女性ってこんな人ばっかりでしょ? いまさらなんだよって思わないでもない。リベラルは存在自体が犯罪的に凶悪なのだ。

この映画監督も、妻のある夫と寝て、散々他人の家庭を壊している。それで自分は進歩的で開明的で聡明な女だと勝手に思っているだけなのだ。

醜い女には醜い過去があるのだなとわかっただけの映画であった。





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「機動戦士ガンダム」(1979年作品)第34話(宿命の出会い) 感想 [アニメ/特撮]

サイド6で生存が確認された父の元へ通うアムロ。しかし父はすでに昔の父ではない。

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悲しみを堪えホワイトベースへの帰路を急ぐアムロは突然の雨に驚いて見知らぬ家の軒先を借りた。その家にいた褐色の肌の少女との出会いは、アムロの潜在能力を覚醒させていくことになる。

帰路、ぬかるんだ砂地にタイヤを取られて立ち往生してしまったアムロを助けたのは、ザンジバルでサイド6に入港してララァ・スンを引き取りに来たシャア・アズナブルであった。突然のシャアとの出会いに驚いたアムロは礼もそこそこに逃げるように立ち去っていった。

ザンジバルの入港に慌てたホワイトベースは、ただちに出港する準備に忙しかった。そこにミライの婚約者カムランがやって来て、サイド6のエリアギリギリまで自分が先導するからと申し出た。その行為に複雑な気持ちを隠せないミライの顔をスレッガーが張り倒した。

ザンジバルを避けて出港したものの、外にはコンスコンのチベとムサイが待ち構えていた。コンスコンはドムを発進させてサイド6のエリア内でホワイトベースを取り囲み、先導するカムランを追い払うように威嚇した。ブライトはすぐさまガンダムの発進を命じた。

エリアを出るなり戦闘が開始された。すでに近くまでやって来ていたドムはホワイトベースに容赦なくミサイルを浴びせていく。ところが出撃したアムロはいつもと様子が違っていた。勘が良く働き、ドムの動きを先回りして読むような攻撃をする。

主砲に配置されたスレッガーは、ムサイのみに狙いを定めてこれを撃沈させた。ドムをすべて撃墜したアムロは重巡洋艦チベの弱点を見抜き、1機で戦艦を撃沈させてしまった。

これらの戦争の様子は平和ボケしたサイド6にも流れたが、彼らにとって戦争は他人事であるのは変わりなかった。酸素欠乏症で頭がおかしくなったテム・レイは、ガンダムの戦果を自分が提供したパーツのおかげだと信じ込んで大喜びしていた。

という話。

メインはアムロとララァの出会い。老いた白鳥が死にゆく場面に遭遇してそれを悲しむララァの場面は有名。短い尺でララァという謎の少女のことを上手く紹介して印象付けている。あまりに尺がなさ過ぎていろいろ妄想が捗る部分でもあり、のちに安彦良和によって詳しく描写されることになる。

カムランやテム・レイ、また永世中立を気取って自由と民主のために戦わないサイド6住民のことなどもろもろを詳しくは描写せずに置き去りにして飛び立っていくところが物語にテンポを与えている。ホワイトベースが逃げ回っているのがいいところだ。

ロードムービーのように旅の要素があるために、ドラマのさわりの部分だけがずっと続いていくところが新鮮味を与えてくれている。ずっと同じ場所にいると物語もどんどん腐ってくるのだ。人間の内面を深く描いても何も出てこないのだから、ふれあいの部分を多く描くべきなのだ。

人間を描くというのは、「個」の内面を追求することではなく、人と人との断絶を描くことだ。人間の内面など追及してもそこには何もない。脳の働きに左右される気分があるだけだ。そんなことより、人間と人間が怖ろしいまでに断絶して理解し合えないことを描く方が人を描いたことになる。

「機動戦士ガンダム」はニュータイプという考え方を使ってそれを描いているところが非常に面白い。これを超能力のようなものと捉えてニュータイプを目指したのがオウム真理教の信者であるが、物事をちゃんと解釈できなかったために人殺しになっていく間抜けな様は大笑いだったものだ。

ガンダムは作品数が多すぎておそらくニュータイプを超能力のように描写しているものもあるはずだが、文芸的意図を読み取れないというのは情けない限りである。





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「キャロル&チューズデイ」(2019年春作品)第8話 感想(本戦1回戦) [アニメ/特撮]

アイドルの売り出しとやってることは何も変わらん。アイドル部作りまーすからの流れと一緒。

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もっと音楽を作る楽しみに溢れた作品になるのかと思ってたわ。音楽アニメに外れなしってずっと思っていたけど、どうやらダメ作品に巡り当たってしまったようだ。

なんで売る売らないの話にしちゃったんだろうか?

番組本戦もただそういう流れだからやってるだけで特に面白いことをやってるわけじゃないし、展開はありきたりだし、ガッカリだったな。

ファイヤー兄弟もやるならやるでもっと本気の曲にしてくれればよかったのに。


リスアニ! Vol.37(M-ON! ANNEX 635号)

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  • 出版社/メーカー: エムオン・エンタテインメント
  • 発売日: 2019/05/21
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【メーカー特典あり】 Kiss Me/Hold Me Now(CD)(窪之内英策描き下ろしジャケットステッカー~10cm角~付)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: フライングドッグ
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: CD




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