So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

「鍵」(1959年作品)感想 [映画]

谷崎潤一郎の小説「鍵」を市川崑が映画化した1959年の作品。公開当時は18禁指定でポルノ扱いされ、芸術か猥褻かで問題になった作品だそうだ。

谷崎論はさておき、映画としてはこれはなかなか素晴らしい。まず主演の京マチ子が妖艶で美しいことこの上ない。そこはかとなくコミカルに感じるのは市川崑の作風と仲代達也の演技が噛み合ったからだろう。

仲代達也は利己的で打算的な若い医者木村を演じているのだが、感情表現を極限まで漂泊して京マチ子と夫役の中村鴈治郎の老いた性欲表現を際立たせている。仲代達也が三白眼で醒めたことばかり考えているところに京マチ子が絡みついていくのが艶っぽいのである。

中村鴈治郎の剣持が貞淑な妻である郁子の裸の写真を撮影し、それをわざと仲代の木村に現像させるシーンでは、赤いライトが点った暗室で仲代の三白眼がハッと見開き、郁子の裸に欲情するさまを驚愕の表情であらわしてあるところなど唸る演技であった。

谷崎くらいはさすがにみんな読んでるだろうからあらすじは書かないが、京マチ子の郁子と叶順子の敏子との対比を京マチ子の匂い立ついやらしさと若き日の叶順子の芋っぽさで描き分けてあるのは芸能事務所主導のキャスティングでは絶対に出来ないだろう。

男を惹きつけてやまない色香を持つ女が実は貞淑で、男に見向きもされないジャガイモのような女の方が性に貪欲で頭の中が妄想で一杯になっている感じをこれほどまでに再現してあるとは思わなかった。ふたりの女優の個性を上手く使っている。

色気の欠片もない吉永小百合がいくら脱いでも絶対に適わないのが京マチ子である。あのもち肌に迫られたら理性が飛びますわね。この映画が芸術か猥褻かで問題になった原因はひとえに京マチ子であって、映画の内容自体は裸を映しているわけではなく、最後にみんなで死ぬ場面も怖ろしいというよりとてもコミカルである。

いやこれは面白かった。プライム特典に置いてあります。



コメント(0) 

「マックス」(2015年作品)感想 [映画]

軍用犬マックスの物語。監督:ボアズヤキン。←これって名前? 全然知らない人。

軍用犬のマックスは出征先のイラクで大量の武器庫を探し当てる。タリバンに武器を横流しして生計を立てていた村民は米軍を逆恨みして自爆テロを仕掛け、マックスのトレーナーは戦死してしまった。

マックスもそこでお役御免となって米国に帰国を果たすが危険な場面を体験したせいで凶暴さが出てしまい普通の飼い犬としては暮らせないと判断されていた。しかしイラクでトレーナーをしていた兵士の家族が引き取り、無事にそこで余生を送ることになった。

のだが、このあとにひと騒動起こる。

基本線は過酷な任務を強いられ最愛の飼い主と別れた犬と新しい飼い主になった兵士の弟との友情の物語なのだが、こうした子供向けの映画に自爆テロとか銃撃戦とか盛り込むガサツさがどうしても好きになれない。

軍用犬はそれが仕事だということはわかる。犬を使役することを否定するつもりもない。だが子供向けの映画でドンパチドンパチやらかすのは健全なのかと。アニメやゴジラ映画じゃなく相手はイスラム教徒だったりメキシコ人だったりするのに。アメリカ人的にこういうものがありとされる感性が恐ろしい。暴力描写がきつすぎる。

犬は可愛かった。マックスの健気さは犬好きには泣けてくるところだ。

でも子供向け映画でも平気でショットガンをぶっ放しそれを当然と思ってるアメリカ人の感性はほんとうに嫌だ。おそらくいままで観た犬映画の中で最低だったわ。



コメント(0) 

「47 Ronin」(2013年作品)感想 [映画]

んーーーーーーーーーー。んーーーーーーーーーー。これなあ・・・。

ファンタジー作品として観て欲しいのだろうし、そうすべき作品だとは思うのだが、全体的になんか承服しかねるところが多くてファンタジーだと割り切って視聴できない。

中国とかモンゴルとか日本とか全部混ざってるのが何とも奇妙。砂漠文化なのか草原文化なのか森林文化なのかまるでわからない。日本風にするなら徹底して日本、中国なら中国、ファンタジーでもいいから1本筋を通して欲しかったかなぁ。これだとかなり大雑把な東洋になってしまう。

それにカイがサムライになれないのが人種みたいにしてあってちょっと違和感があった。そもそも江戸時代の物語のサムライと戦国時代のサムライじゃ違うので、ただの身分制度上のサムライにサムライの家系以外の者がなれないのは普通。

いや、こういうおかしなところをあげつらう映画じゃないのはわかってる。でもこれだけ釈然としない部分があると素直に感情移入できないのでは?

おそらくアメリカは文化盗用とかいう意味不明な問題があって白人がサムライになってちゃいけないところがあるが、映画なんて自由なものなのだから白人のサムライがいようがお寺の和尚さんがリチャード・ギアだろうが画面に馴染んでいれば全然かまわない。ファンタジーとして一貫性のなさが変な違和感満載の原因ではないかと。

アニメなんか「ニンジャバットマン」が成立するほど好き勝手やっているのだから、「47 Ronin」も脚本:中島かずきでやっていればまた違っていたかも。

キアヌ・リーブスがもったいなかったなー。



コメント(0) 

「大菩薩峠」(1957年作品)感想 [映画]

中里介山の時代小説「大菩薩峠」は、最初の大衆小説とされるが実際はただのクソ小説である。現代文で書かれた最初のクソ小説というのがオレの評価だ。

下手な小説はいくつもあるが、わざわざクソと呼ぶ必要があるのはこれが大衆に支持されたからである。掲載紙を替えながら数十年に渡って連載するほどの内容はこの小説にはなく、ただひたすら売り上げが落ちなかったから連載が続いた。売れたけど中身がない小説ということだ。

「大菩薩峠」の話はネタとしてよく使うので、興味を持った嫁がじゃあ映画を観てみたいと言い出して視聴することになったのだが、1957年の内田吐夢監督による作品は思いのほか良く出来ていた。原作がテーマもへったくれもないクソ小説なのでこれ以上を望むのは困難といっていい。こんなに面白いのならば3部作がプライム特典に置いてあるうちに視聴しておけば良かった。いまはこの第1部しか特典には入っていない。

主人公の名は机竜之助。この人物をどう表現したらいいのか難しいが、自堕落な悪党であり、快楽殺人者でもある剣豪とでも評したらいいだろうか。これといったしっかりした人物造形がされているわけではない。その場限りの行為を繰り返すぼんやりした剣の達人であるが、剣の修行に精励していた描写はなくて、最初から「音無しの構え」を武器に誰と戦っても負けないことになっている。

机竜之助は負けないが、勝利を欲していつも気力を充実させているわけでもない。彼は意味もなく人を殺したかと思えば立ち合いになると「音無しの構え」で相手を粉砕し、仇討ちで追いかけてくる相手との果し合いはすっぽかす。行動が予測しづらくて訳がわからないのである。

女関係も派手といえば派手だが、いい女に目がない好色な男という描写でもない。女が何やらクドクド言ってきたから犯した。犯したら好いてきたから一緒に逃げた。子供ができた。でも邪魔になったから斬った。こんな感じだ。ぼんやりしていて何も考えずに行動している。テーマがない小説なので作者の考えを仮託してあるわけでもない。主義主張は一切なく、行為が連続しているだけなのだ。

小説「大菩薩峠」とラジオドラマ「君の名は」の2作品はまるで内容がないという点で共通している。内容はないが大衆にはウケていつまでもいつまでも終わらずに続いていく。これを大衆作品と呼ぶのは大衆をバカにしすぎており、大衆迎合小説なりドラマと呼ぶべきであろう。新海誠のアニメ「君の名は。」はラジオドラマ版に比べれば傑作の類だ。

そんな内容の原作なので一切期待せず、嫁にも「わけが分からないよ」と念を押したうえで視聴したが、やはり内田吐夢は素晴らしい、クソ小説をそれなりの形にまとめてある。机竜之助を演じているのは片岡千恵蔵、仇討ちを狙う男は中村錦之助(萬屋錦之介)で、このふたりがよほど効いているのか原作ほどの破綻がない。

映像も素晴らしい。どのシーンも絵になるカットで満ちている。時代小説の鬼っ子のような作品なのに、いかにも時代劇然とした美しい映像の連続である。動画としては黒澤映画は抜けているが、ワンカットの格好良さは内田吐夢が上回っていると感じた。片岡千恵蔵はいわゆる舞台的な殺陣しかできないが、止まったときの所作の美しさはこの上ない。そこに中村錦之助の懸命な動きが合わさって映画を盛り上げている。

クソみたいな原作から素晴らしい映画が生まれる現象はこの当時からあったのだ。アニメ特有のものではなかったわけだね。

「大菩薩峠」はよほど酔狂な人しか好きにならない原作であるが、内田吐夢監督の映画版は観ておいて損はない。



コメント(0) 

「NANA 2」(2006年作品)感想 [映画]

大谷健太郎監督による漫画「NANA」の実写劇場版第2作。

奈々というかハチ役が市川由衣に変更されていることに冒頭30分気づかず、何が起こっているのかわからないまま視聴していた。前作よりシリアスシーン多めではあるが映画としてどうなんだと心配になるほど出来が悪い。

有能な漫画原作を食い潰しすぎでしょ。

キャストが変わったために何が何だか状態でそれでもハチが腹立つのは変わらず。笑顔と天然キャラの裏で人間関係を壊しまくるクラッシャーな雰囲気を出すにはこの女優さんは普通過ぎた。第1作の宮崎あおいの方がクソ女役にはふさわしかったのに残念だ。

ライブシーンはそこそこ。やっぱり日常劇が壊滅的にダメなのとセットの作り込みが甘くてバンドのアングラさが出せていない。

嫁の話だと原作ファンがかなり強く脳内補正すれば観られる映画なのだそうだ。



コメント(0) 

「NANA」(2005年作品)感想 [映画]

嫁の希望で矢沢あいの人気漫画の実写映画版を視聴。監督:大谷健太郎。

科白の間が悪いいつもの邦画だった。漫画の雰囲気はほぼないのだそうだ。全体に80年代のアイドル映画並みの低クオリティー。ライブシーンは良かったと思ったがドラマの部分が壊滅的で映像も悪い。おそらくもっと鮮烈な映像の方が合っていた。バンドのギスギス感を奈々が中和しつつ破壊していくのがいいらしいのにそれがないとかなんとか。

中島美嘉の雰囲気と宮崎あおいは良い感じの対比になってる。キャストでいいのはそこだけか。2000年前後はまだバンドブームのときかも。AKBが出てきてからキャバクラシステムで歌をうたうのがバカらしくなっちゃったよな。ヴィジュアル系ブームのころはまだ良かった。原作はその時代の雰囲気なのだろう。

読んだことないけど漫画は面白いらしいね。原作はかなりいいと嫁が太鼓判。

少女漫画原作を朝から3本連続はいやきついっす。もっとゆっくり銀英伝を見ればよかった。

現在「NANA 2」が流れている。なんか・・・???


コメント(0) 

「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」(2010年作品)感想 [映画]

引き続き「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」を視聴。監督は川村泰祐。

朝っぱらからのだめはきつい。竹中直人がきつい。千秋の背中を追いかけてときには絶望しながら少しずつ前に進んでいたはずののだめが実は才能の権化みたいな奴ですごいことになるみたいなオチ。天然キャラが自分の中の特性を理解して引き出すための客観性を身に着けたという解釈で見ていた。

ただここに至る前の話をとびとびにしか知らないのでよくわからない。しかも嫁が「ここはいいや」と言いながらところどころ飛ばすのでさらにわからなくなるという。もうちょっと落ち着いてみせていただきたいもので。

前後編4時間を2時間50分ほどで視聴しました。



コメント(0) 

「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」(2009年作品)感想 [映画]

「のだめカンタービレ 最終楽章」の前篇を視聴。前編の監督は武内英樹。原作は二ノ宮知子。

ノリだけの映画なので上野樹里の顔芸だけ堪能。のだめは上野樹里のはまり役で彼女以外で成功したとは思えない。嫁はこれが大好き。アニメ版は観たことがない。

前編は千秋が歴史あるオーケストラの常任指揮者になるが団は問題を抱えていて満足な演奏ができないでいた。それを千秋が立て直すところまで。

好きな人は好きなんだけど個人的に配役が苦手。好きな人はちょっと寒いも含めて楽しんでいるとのこと。なかなかハードルが高い。興行成績の良かった話題作ながら人を選ぶところがあるクセの強い作品ではないかな。この作品のせいで上野樹里はのだめにしか見えなくなった。

目の前ではすでに嫁が後半の視聴を始めている。



コメント(0) 

「ジャッジ・ドレッド」(2012年作品)感想 [映画]

ピート・トラヴィス監督による2012年のイギリス映画。シルベスター・スタローンの映画だと思ったらリブート版だった。物語も変わっている。

荒廃し犯罪発生件数が異常に多くなった未来のアメリカで、おもに凶悪犯罪の現場に投入されてその場で評決を下すジャッジの活躍を描がく作品で、今回はベテランジャッジのドレッドが超能力を持つ新人ジャッジのカサンドラの適性テストを任される。

アメリカのマッチョ信奉とイギリスのグロテスク表現が相まってかなり気色悪い映像になっている。アメリカのマッチョ映画は同時に家族の物語などを加味してグロさを中和してあるのに、イギリス人監督なものだからそういうものがない。家族を守るための強さという側面が弱く、家族関係がよりリアル方面に寄せてあるだけタチが悪い。グロさとマッチョでむせ返るようだ。

テーマ性なども薄いために娯楽映画なのに暴力表現しかない。その場でサクサク殺していくことにそう快感を持てる人は楽しめそう。そうじゃない人には少しきついかも。



コメント(0) 

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」そしていつもの総集編 [アニメ/特撮]

またですか。毎度毎度どうなっているのかと。

002.jpg


総集編でここまでを振り返ってみるなら、ロボットアニメだと思わせておいてからの恋愛アニメ展開で騙されたというのが一番の思い出かな。ロボットでもSFでもなく恋愛にしてはテーマやらなんやらいろいろ絡んでいるからとても面倒な作品だった。

作画は最高レベル。

個人的には構成要素のほぼすべてを取っ払ってテーマだけ確認できればいいという感じ。

アニメの歴史にどんな足跡があったのか自分なりに納得できればもうそれでいいんだね。



コメント(0)