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「正解するカド KADO:The Right Answer」第11話 感想(ボロボロっすな) [アニメ/特撮]

全然ダメなんだけど、どこがどうダメなのか自分なりに整理しておきたいタイプのダメさだ。

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まずは、ベーシックなSFの設定とアニメテンプレの相性の悪さが挙げられる。

SFはミステリの派生物で、物語の状況が日常とはかけ離れて特殊であることが特徴だ。ミステリは殺人、強盗など非日常的な事件を舞台に設定するが、特殊な状況のみを舞台として設定するなら、もっといろんなことが出来るだろうと考えられ、SFは生まれた。

人間を特殊な状況に放り込むことで、日常をただ生きているだけの人間の内部に潜む不可思議な欲望や希求を炙り出し、人間性の本質に迫ろうとする。ミステリもSFも、本来はそうしたものだ。物語を構成する様々な要素はあっても、最終的に人間が描かれたかどうかで作品の評価は決まる。

一方でラノベ原作にありがちなアニメというのは、人間性の本質を描くことはあらかたやり尽されたと見做し、いままで蓄積された人間の志向性を分類して、それぞれの方向ごとにキャラクターを割り当て、人物造形する。ラノベにとって人間は総合的で複雑なものではなく、個が持つひとつの方向性に過ぎない。

ラノベのキャラクターは、人間の方向性のひとつであるが、商業的価値観によって人気不人気が決まり、難し気な人間の方向性は忌避され、比較的単純なものだけ残されて、長身=眼鏡=クールのようなキャラクターはどの作品にも登場する。眼鏡のない時代を舞台にしていても眼鏡をしている。あくまで人間の一部を切り取った人物造形なのだ。

「正解するカド KADO:The Right Answer」は、ラノベのそうした特徴は避けて人物造形がなされている。登場人物は、官僚は官僚らしい服装で変な個性はつけられておらず、政治家も同じだ。ところが、その描き方は人間性を探求するわけではなく、ステレオタイプなものにとどまっている。シュミレーション小説のように、国家の在り方や国家運営に携わっている人間を深く取材する過程で見つけた気骨ある人物を作品に登場させるということはなされていない。

ここまでならば、人間を描くことが出来ていない作品として、凡庸との評価にとどまったはずだが、本作は凡庸さをアニメ的テンプレ進行で打破しようと試み、見事に失敗した。

第0話も含めて、視聴者は物足らないながらも特殊な状況に置かれた人間の取る行動を描こうとしているのだと思って観ていたはずなのに、何もかもかなぐり捨ててアニメ的突破を図ったために、視聴者の脳内ではそれまでの理解を再構築する必要に迫られた。様々な指向性を内包する複雑な個としての理解をかなぐり捨てる必要に迫られたとき、真道もヤハクィザシュニナも徭も花森も、どのテンプレに当て嵌まるのだろうと探られるキャラクターに戻ってしまったのだ。

それまで描いてきた個性が消えたわけではないので、引き続き視聴には耐えられるのだが、複雑な個を描こうとしていると思っていたものが、ただのキャラかもしれないとなったときの定まらない気持ちは、作品への一切の感情移入を拒む作用をもたらす。要するにすっごく冷めた状態でアニメを観ることになる。

諸悪の根源は脚本家だとも気づかれているので、野崎まどという人物はとんだ失笑の的になっているはずだ。他人から笑われるためにアニメに参加したわけじゃないだろうに、何をやってるんですかね?

酷いところはまだまだあるのだが、もう取り返しがつかないダメ脚本なので、もういいかな。経済について無知すぎるとか、政治に関してわかっていないとかはもう書いたしね。



せっかくなので良い点を挙げておく。

良い点はCGだ。カドのCGが素晴らしかった。登場人物の科白と口の動きも、「ベルセルク」のように顎をカクカクさせすぎておらず、違和感がない。科白すべてに合わせて顎を動かすと、せわしなくてカクカクが際立つのだが、見ればわかるが科白数より顎の動きはかなり減らしてある。

CGでモブキャラを作ると手間に対して登場回数が合わず赤字になるという問題は、手描きにすることで解決されていた。CGと手描きの差異もかなり少なくて、全然違和感がない。この辺りは東映アニメはいろいろノウハウがあるのだろう。「ベルセルク」もこれくらい出来ればよかったのに。

演出も素晴らしい。掘り下げられた人物造形でもなければ、商業的に許容され望まれているテンプレキャラでもない登場人物を精一杯描いてあると思う。

と、良い点も多々ある。

こうして良い点もあえて挙げてみると、ますます脚本のクソっぷりが際立つというね。

なかなかこんなクソアニメは作れないものだよ。

逆に凄いかもね。





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「ベルセルク 次篇」第24話・最終回 感想(そして原作は休載) [アニメ/特撮]

最終回としては良かったのだが、まとまりは悪かったな。作者は冬まで冬眠するらしいし。本当に冬から描くのか? ほとぼりが冷めるのを待ってるんじゃないのかと。

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「ベルセルク」が完結するのが早いか作者が死ぬのが早いかと話題の作品だけども、オレの方が先に死にそうになっているのだが、どうしてくれるんだ三浦建太郎。休載じゃなくて、ダメならダメってことにして、白泉社で作画チームを組んで続きを描くとかだな。

大体漫画家の負荷が高すぎるのにいまのいままで改善しなかった業界が悪いんだし、もうこのエロゲー親父はダメなんだから、何とかならんのかね。栗本薫みたいにギリギリまで描き続けるならまだしも、描くのか描かないのかわからないんじゃなぁ。マシリトをもってしてもこれとは。

ま、漫画の方はさておくとして、「ベルセルク 次篇」も今回で最終回。んー、一応海まではきたが、最終回なのに、キャスカのために妖精島を目指しているって入れなくて良かったのだろうか? 劇中で目指しているのはパックの故郷だとは何度も出ていたが、やはり基本として最後にもう一度念を押しておくところだったはず。

キャスカのために妖精島を目指し、妖精王に会って狂ってしまった彼女の頭を直して貰いつつ彼女がもう二度と危ない目に遭わないように匿ってもらうのがガッツの願いだと念を押しておくから、キャスカがまともになったときにガッツを裏切る場面が生きるはず。いや、裏切るかどうかは原作でもまだ確定はしていないというか確定する前に休載になったわけで・・・。

でもまぁ大抵はキャスカはいったん裏切ってグリフィスのところに戻る、ところがそれはグリフィスではなくフェムトだと思い知らされ、同時に誰かによって自分が狂っていたときにどれだけガッツが親身になってくれたか知るって流れじゃないのかな。やっぱりキャスカはふたりの間に立つ存在で、どちらかにずっとなびいて離れないってキャラじゃないよな。

今回は最終回だけあってかなり気合を入れた作画だったが、ラストの場面が全部手描きになっていて、最後の最後までCGと手描きは融合しなかった。

GEMBAのCGのところは、モブを新たに作ると金がかかるので、前に登場したキャラを使い回すというのが、やはり弱点だったな。これはどこが作っても同じで、「シドニアの騎士」もモブを使い回すものだからかなり違和感があった。多少いじっても、前に出ていたあのキャラだってすぐにわかっちゃうんだよね。CGでアニメを作る人たちは、このモブ問題は何とかしなきゃいかんだろうね。かなり明確な弱点になってるよな。

軍隊の演習シーンを遠景で描くところなどは、手描きよりコピペできるCGが有利になる。口パクの違和感とかは、CGというより、アニメの動画としてさらにレベルアップしていけばいいことじゃないかな。CGだと喋るときに顎がガクガク動くけども、手描きではかなりの労力になるあの顎のガクガクを簡単にやれるのはCGの利点だろうが、まだやっぱり違和感があって、それをアニメの動画としてどう処理すると観られるように直せるのか、まだわかっていないはず。

東映などはCGで顎が動いてもさほど違和感を感じないのは、アニメの動きとして顎のガクガクの回数を減らしながら、科白との齟齬が生じないように工夫しているんじゃないかなぁ。「ベルセルク」は顔のアップで早口の科白を喋らされ、その科白に合わせて顎は動きっぱなしになるものだから、ガクガクが余計に目立っていた。アップばかりを繋げるのは監督とかコンテマンの仕事だから、悪いのはCG班じゃないけどね。

最後の手描きの部分は、悪くはないけども、あれで全部やる予算はないわけだよね。手描きの悪い部分は予算を喰うということと、アニメーターを確保できないというところか。

CGも手描きも、悪い点ばかりが目立ってしまって、なんだか可哀想。双方に関わった人たちは頑張ったはずなのに。

まぁそんなわけで、今回で分割2クールものとしては終了し、続編があるのかないのかは微妙なところ。漫画が休載ばかりで終わりが見えないわけだから、アニメにする理由がない。アニメ化で原作者が張り切ってどんどん描いてくれたなら良かったが、そうはならなかった。アニメが終わった途端にまた休載。これでは匙を投げられてしまうよな。

最近はこんな漫画家ばっかりだよ。0から1を生み出すのは作家の仕事で、それは尊敬され恩恵も受けるべきだが、1が100になり1000になってきたとき、作者が1000を1002にしかできないのなら、出版社が後を引き受けて1000を2000にしていった方がいいと思う。

松本零士などのがめつい奴らが、とにかく漫画の所有権は全部漫画家のものだって主張してきて、出版社もそれをできるだけ尊重しているが、こうして肝心の漫画家が仕事をしなくなったとき、出版社には何の権利もないのかって話だよな。

「ベルセルク」なんか続編を描く権利を出版社が買い上げて、出版社がアニメ会社のように脚本と作画をコントロールした方がいいけどなぁ。もしくは、そうした漫画の連載請負業務をアニメ会社が新規事業としてやっていくか。そういえば、アニメの美術なんかもそうだけど、漫画の背景も漫画家にアシスタントを雇わせて描かせるより、法人で専門会社を作って請け負った方が効率的じゃないのかね。どうせトレースばかりなんだし。

アニメの3期を作るならやりようはあるけど、やる理由がなくなってしまった。

作者とアニメ監督のどちらもダメじゃ、この体制で3期をやる理由はなくなってしまうよね。

応援していたけど、こりゃダメかな。

「ベルセルク」はもう三浦建太郎の手を離れた方がいいとオレなどは思う。アメコミは昔っからそういうやり方で連載を続けているし、画力は維持どころか書き手が変わるごとにレベルアップしている。ひとりの作者が何から何まで全部やることを望んでいる日本の漫画ファンが、作品の継続力を奪っているんだよね。結果として、コンテンツを使い捨てにしている。

なんで日本人はこう合理性に欠けるのだろうか? 「ドラゴンボール」なども、別に鳥山明が描くことに拘らなければ、ずっとジャンプの看板漫画でやっていけるのに。「鳥山が描くから~」なんてのは老人のたわごとで、子供のころから「ドラゴンボール」を読んで、いつか自分が「ドラゴンボール」の作者になるんだって夢見てる子供の方が絵はレベルアップするんだよ。その子は0から1が生み出せないだけで、1000から1500まではその子が請け負うのかもしれない。

ひとりの漫画家の人生なんか短いのだし、物語の始まりは漫画家のものだとしても、物語の継続は出版社やアニメ制作会社のような法人と、読者のものだと考えますよ。

おかしいですかね?




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「カブキブ!」第12話 感想(これは良最終回) [アニメ/特撮]

「白波五人男」をちゃんと演じさせて終わった辺りは「昭和元禄落語心中」の脚本みたいでなかなか良かった。

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最後まで視聴できるようにちゃんと作ってあったよね。

歌舞伎を題材にするなら、もっとアートっぽく、作画全振りのアニメも面白いだろうけど、いまの1クール12話をひとつの元請で作る方法だとリスクが大きくて無理。1クールを3つくらいのスタジオが元請して、それぞれが4話の短編を作るみたいな方法じゃないとアートっぽいのは難しい。

これは角川の原作もあるし、初心者に配慮して作られていたから、継続して視聴するには優しかったが、アニメファンが物足らなく感じても不思議ではないかな。面白かったけどね。帰宅部とかなんかよくわからん文系の倶楽部の方が人気は出るかもしれないが、そんな中身スカスカのアニメばっかりじゃあなぁ。将来ニートになるような奴らのことなんか知りたくもないし。

これはこれでいいが、歌舞伎ってアートの題材として考えるととても面白い代物なので、また別の機会にでも取り上げて欲しいかな。歌舞伎を演じるアニメではあったが、映像は歌舞伎っぽくなかったからね。そこはなんか横尾忠則的な冒険があっても良かったかも。知ってるかな、横尾忠則。犬カレーでもいいんだけど。

アート系の作風は最近の子は拒否反応が起こるかもしれないが、本来若者の方がアート系に感応するものだし、アニメはアート作品でもあるわけだから、アート系を毛嫌いするアニメファンなんてものが本来おかしい。感受性が腐ってる若者なんか存在自体邪魔だろ。

「カブキブ!」というアニメは、歌舞伎に感性を刺激されて生まれた作品ではない。ただ題材にしただけだ。作家や漫画家が資料を揃えて、取材して、構成して作ってある。それは悪いことではないが、何一つクリエイトされていないのは残念だなと。OPやEDの映像だけでももっと映像美に溢れて欲しかったかなぁ。

でも、悪くはなかったよ。





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「サクラクエスト」第12話 感想(日常と非日常) [アニメ/特撮]

さあ、ここから本番だな。

主要登場人物の掘り下げも先週で終わり、今週から本格的に物語が展開されました。

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チュパカブラ王国20周年記念イベントの開催に向けて準備中だった5人のところに、以前世話になったテレビ局の人がやってきた。彼は間野山出身のディレクターを紹介して、間野山のために日々奮闘する5人の女性のドキュメンタリー番組を製作したいと申し出た。

間野山の宣伝になるのならと快く引き受けた5人だったが、取材を進めていくうちに国王の木春由乃の物語が弱いと感じたディレクター。それを告げられて悩む木春由乃。彼女には王国の10万人目の来場者で、そのときの体験が自らの志向に大きな影響を与えていることは多くの人には話していなかった。

イベントの協賛金が思うように集まらず、予算不足に陥ることがわかった木春由乃は、担当ディレクターがブッキングした若手アーティストのライブという追い風も見込んで、商店街と青年会に協力を持ち掛けることにした。

始めは新たな支出に乗り気でなかった町民たちも、木春由乃の説得と、飲食関係者が協力を表明してくれたことで風向きが変わり、運営ボランティアや割引券配布に伴う負担などを引き受けてくれることになった。

イベント当日は、観光協会が主催するクイズ大会と、テレビ局が主催するライブの同時開催となり、すでに先乗りして席を確保する人なども出現し、成功間違いなしと思われた・・・。


という話なのだが、前半11話かけてやっていた個人と地域の関わりにスポットを当てた構成は終わり、町興しの構造的な欠陥である「日常と非日常」に焦点を移していくようだ。

町興しというのは商工会や観光協会がやる場合が多いが、多くの場合はイベント頼みで、非日常的な催しを企画して人を呼び込み、町をアピールしようと目論むのだが、来場者は非日常的なイベントに参加することが目的であり、その地域の日常には関心がないために、果たしてこれが町興しになっているのかどうかは微妙だ。

多くの場合、町の人々とイベント参加者には大きな意識の隔たりがあり、イベント参加中に仲間たちとだべりながら我が物顔で町を闊歩する人々と、いつになく道が混んでイライラする町の居住者との対比はどこの小さな町でも起こっている。

劇中で開催されるような若手アーティストのライブといったイベントの場合、まずは違法駐車問題が起こって地域住民をイライラさせる。小さな町でイベントを開催しても、そもそも駐車場のキャパシティーが不足していたり、土地勘のない参加者はよく分からず適当なところに自動車を停めてしまうのだが、もちろんそんなことは地域住民にとっては迷惑なことでしかない。だが、参加者にしてみれば、町でイベントを開催しているくせに駐車場もロクに確保していないのはどういうわけだという話になって、罵り合うならまだしも、地域住民が黙って我慢し、不満はイベント開催者に向けられる。

次に起こるのがトイレの問題だ。人がいれば当然トイレも必要になるけども、これもこなれた運営者でもない限り数が足らず、イベント参加者はコンビニのトイレ、公園のトイレなどに殺到して、順番待ちになる。終いには民家に押しかけ「トイレを貸してくれませんか」なんて話になる。

前にある町の商工会が企画したゆるキャラのイベントの手伝いをしたときもトイレが不足して、急遽役場と商工会のトイレを開放したのだが、すぐにウンコをぶちまけられて大騒ぎになった。ゆるキャラのイベントは子供の参加者が多いために、トイレが我慢できないのだ。近くにあった喫茶店など、1日中トイレを貸してくれと頼まれ、かといってイベント開催中だからトイレを借りてもゆっくりコーヒーを飲んでいってくれるわけでもなく、不満たらたらだったと聞く。

自分たちの日常生活を忘れるために非日常的なイベントに参加する人たちがいる一方で、イベントを開催している町にも日常生活はある。イベントを開催している町の住民も非日常を求めて他の地域のイベントに参加するわけだから、ときどき人が移動して何かが起こるイベントという町興しは、地域の長期的低落傾向の歯止めに役立つのか立たないのか微妙なところなのだ。

町は日常に合わせて設計され、キャパシティーもそれに合わせて決まってくる。イベントという非日常活動は成功すればするほどそれを大きく上回り、地域住民には迷惑が掛かり、なおかつイベントという一過性のものは何の恩恵ももたらさないのが普通だ。出店を開くことに慣れていればいいが、慣れていない人だと出店費用を回収できずに赤字になるケースもある。

ガールズ&パンツァー」のヒットでアニメによる町興しが話題になったのが数年前だから、このアニメはそのころに企画されたものなのかもしれない。P.A.WORKSは「花咲くいろは」で実在しないアニメの祭りを定着させた前科、もとい実績もある。何もないところに何かが生まれるきっかけとしてアニメが関わったり、元々あった観光地にさらに付加価値が加わるということはあるだろうが、そういった幸運に恵まれない地域の方が多く、観光協会による非日常的イベント開催と、その町の変わらぬ日常とのギャップの問題は根強くあって解決の目処は立っていない。

地域住民の望みは、人が増えて日常が活性化することだ。町に大学が新設される、工場が出来る、新幹線が開通する、原発が出来るといったことが起こると、移り住む人が増え、その町のあらゆるキャパシティーは新しい日常に合わせてレベルアップする。上下水道の整備やネット環境の充実、都市ガスの設置地域拡大、地価の高騰など、一斉に活気づくのだ。町はみるみるうちに変わる。

特に原発は補助金が付くので大変メリットが大きく、住民の過半数は大抵賛成するものだ。町外からやってくる原発反対グループは、町の住民にとっては商工会がイベントで呼び込む参加者と同じで、非日常活動と見做され、邪険に扱われるのがオチだ。そんな連中に関与する地域住民は、村の数少ない若手や建設業者に半殺しにされたりする。

住民が望んでいる地域の活性化と、商工会や観光協会でやれる地域の活性化は、規模の違いだけではなく、本質的に違う。このアニメでいうと、観光協会の門田丑松と間野山商店会の織部千登勢との対立になる。アニメ内であまりよく描かれていない織部千登勢を嫌っている人もいるだろうが、彼女の姿勢が一般的な地域住民の方で、イベント頼みの観光協会の方が地域住民にとっては縁遠かったりする。

という流れになってきたわけで、やっとこのアニメの本質に迫ってきた。これまでの個人と地域の関わりを描いた部分も悪くはなかったが、個人も地域も所詮はアニメの作りものなので、正直言ってあまり書くことはなかったのだ。キャラ設定はしっかりしているし、その描き方も悪くはなかったけども。

さて、どこまで突っ込んで描けるかですな。

補助金目当てで迷惑施設の受け入れを決めようとする政治家が登場してくると、俄然白熱するはず。

なぜなら、アニメの中の登場人物たちの立場が一斉に揺らいでくるからだ。迷惑施設の受け入れは、地域住民に本質的なメリットをもたらす。だが、悪評判も立つ。間野山を愛する気持ちの本質にそれぞれが立ち向かわなければいけない。人の気持ちが二転三転する様子を描けたらかなり面白いアニメになるだろう。

そこまで突っ込んで描けるかどうかは知らないが。





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「夏目友人帳 陸(6期)」第11話(最終回) 感想(6期でようやく祖父の手掛かりが) [アニメ/特撮]

祓い屋をやりながら妖について研究していた箱崎という男が死んだ。資産家だった彼は、大きな邸宅を姪のために残したが、妖が見えない姪は叔父の研究をたいそう毛嫌いしていた。

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譲り受けた邸宅に、妖の研究に関する資料がどこにもなかったことから、姪はそれをますます不気味に感じ、一計を案じて全国から祓い屋を集めるや、彼らに向かって邸宅内を捜索して叔父の研究成果を見つけた者にはそれらをすべて授けると約束した。

妖について深く研究し、祓い屋としても一流だった箱崎氏の研究は、同業者には垂涎の的であった。それを手に入れれば祓い屋として確実なレベルアップになる。名取周一のところにも仲間が駆けつけ、共同捜索を持ち掛けてきた。たまたまその場に居合わせた夏目貴志は、箱崎の研究の中に友人帳のことがあるかもしれないと興味を持ち、名取に協力を申し出た。

祓い屋たちによる研究成果の捜索は粗暴を極めた。邸宅内は引っ掻き回され、破壊された。そんななか、夏目貴志は叔父が姪のために楓の木を植えたという話を思い出し、窓から楓の木が見える部屋を重点的に探した。するとかなり荒らされていた部屋に楓の模様の箱が見つかった。箱の中には、家族の集合写真が1枚だけ入っていた。姪が生まれたばかりのころの写真だった。

貴志にはその写真に、2頭の龍が映っているのが見えた。それは他の人間には見えていない妖の姿で、箱崎氏の式であると推測された。それを手掛かりにして、名取と夏目は龍の文様を探した。すると屋敷の北棟で的場一門の七瀬が何かを見つけたとの噂が立ち、祓い屋たちは北棟に殺到した。

取り残された夏目たちは龍の手掛かりを探していたが、何気に触った壁に突然竜の文様が入った扉が出現した。扉からは龍が現れ、箱崎氏の研究成果を漁る祓い屋たちを罵倒し始めた。祓い屋たちは、たしかに罵倒されても仕方ないほど邸宅内を荒らしまわっていたので、夏目は素直に謝り、しかしながら姪の女性は妖に興味がなく、研究成果を活かせないどころか邸宅もすぐに売り払おうとしていると話した。

龍も徐々に落ち着きを取り戻し、自分たちはただ主人と一緒にいたかっただけだ。静かにしていたかっただけだと訴えたが、式は主人が死んだこともよくわかっており、怒りや戸惑いをぶつける相手がおらず、それで主人の写真を手に持っていた夏目の気配に誘われて出てきてしまったのだと謝った。

そこですかさず名取は研究成果を譲って欲しいと懇願した。だが、式である龍はしばし思案したのちに、それは出来ないと断った。箱崎氏の研究成果は龍たちにとっては思い出の品であり、屋敷を追い払われ、主人との思い出を奪われてしまうのならば、せめてともに生きた証を誰にも渡さずに持ち続けたいと思ったのだった。

龍の気持ちを察した貴志は、あっさりと引き下がった。すると龍の方も申し訳ない気持ちになり、自分たちがあらかた持ち去るが何か残ったものがあったのならお前たちに分けてやると約束した。

夏目はその配慮に感謝したが、龍は自分の頭を撫でる夏目の気配に覚えがあると言い出した。それはおそらく祖母の夏目レイ子ではないかと貴志が言うと、いや違う、お前によく似た顔立ちの男だといった。だが、その話を詳しく聞く前に、北棟で騒動が起こった。

北棟にはもう1頭の龍が扉の出口を守っていたのだが、七瀬に結界を破られ、怒ったもう1頭の龍は北棟に妖術の炎を現出させて祓い屋たちを追い払ったのだった。

炎は北棟すべてを覆いつくし、箱崎氏の隠し部屋の中の研究成果は龍たちが持ち去ってしまった。炎は妖術だった点に屋敷には傷一つ残さなかったが、研究成果が失われたと知った祓い屋たちは落胆して帰っていった。

貴志は捜索中に見つけた集合写真を姪の女性に手渡した。そして、約束通り、炎に半ば焼かれた箱崎氏の研究成果は名取と夏目が拾い集めて、そのまま所持することとなった。

捜索中に妖に襲われた際、貴志は友人帳のことを名取に聞かれてしまっていた。名取に助けられた貴志は騒動が終わったら話すと約束していたので、名取に祖母のレイ子が残した友人帳のことをすべて話した。


というお話でした。先週の続きのお話で、名取がついに友人帳のことを嗅ぎ付けてしまったと思ったら、今度は祖父のことが出てきましたね。霊力を祖母から、容姿を祖父から受け継いだ夏目貴志は典型的な隔世遺伝ですな。

名取が聞いたらどうなるかとハラハラしていた友人帳のことは、意外にも名取はそれを欲しがるというよりはそんな危ないものを夏目貴志が所持していることを気に掛けているようでした。なんという優しい世界。友人帖を巡って人と人が騙し合い殺し合う話にならないところがこの漫画/アニメの良いところですかね。


ということで、6期はこれでお終いでございます。こんなのんびりペースで進めて悪口を言われないのは「夏目友人帳」だけでしょうね。名取が友人帳のことを知ってしまい、どうやら夏目貴志は祖父に似ているとわかったことで、遠くにこの物語の最終回を匂わせつつ、普通に続いていくんでしょうね。

制作会社の朱夏も、「夏目友人帳」をアテにして独立したんだろうし、これはアニメも続くだろうね。7期が早くも楽しみです。

観るぞ、7期。だからすぐに作ろう。





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「有頂天家族2」第11話 感想(早雲、生きとったんか、ワレ) [アニメ/特撮]

いやぁ、面白い。これは本当に素晴らしい。アニメってだけで毛嫌いしていると、この作品を観ることが出来ないんだぜ。バカな奴らよ。

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会社で「アニメのどこが面白いの?」みたいに訊いてくる奴っているんだけど、そいつらの小さな頭脳の中ではアニメは可愛い女の子がなんかするだけの代物でしかないから、何を話しても無駄なんだよな。「お勧めは?」って訊いてきても絶対に観ないし。実写のしょうもないドラマと「有頂天家族」じゃ比較にならないのにな。

アニメ耐性ってもんがあって、耐性のない奴には何を言っても無駄。意味なく他人を見下しているんだけど、「有頂天家族」すら見てない奴に何を言われてもなぁ。本当に面白いドラマを知らないだけだもんな。

ということだよ。な?

矢二郎が四国で出会ったタヌキはやはり呉一郎だった。そして、呉一郎に化けていたのが早雲。この親子、本当に仲が悪いからな。本物の呉一郎は、親父の悪巧みに頭にきているというより、自分に化けて悪巧みしていることが本当に頭にきていると見た。2期はあちこちでバトルが起こっていて面白いったらない。

天満屋の悪巧みで早雲の悪巧みが早々に発覚してしまったわけだが、早雲と金閣はどうしようもない連中のようだが、銀閣は意外にバカで、妹想いなんだな。

展開が本当に面白いから退屈しないわね。

1期は売り上げが芳しくないと他人から聞いて、オレも観るのがかなり遅れたんだけど、観てみたらP.A作品の中でも1,2を争う傑作で驚いたんだよね。P.Aの作品を全部観たときに、ランキングをつけたんだけど、2位にしたのかな。青春や恋愛ものが得意というそれまでのイメージを覆して、もしかしたら文芸作品の映像化が向いている会社なのかもって思ったわ。

弱いのはオリジナルの企画だよね。これは「サクラクエスト」の感想でも散々書いてるけど、核になる表現者がいない状態でP.Aがオリジナルをやると、中身がスカスカになる。映像のレベルは高いのに、「何でこんな言いたいこともないような脚本を大金掛けてアニメにしてるんだろう?」って本当に不思議になるんだよね。

堀川社長が若手にオリジナルをやるチャンスを与えてくれていると思うんだけど、育ってないかなぁ。こんなことは言われたくないだろうけど、作家森見登美彦という核になる表現者がいる「有頂天家族」と「サクラクエスト」を見比べてみなさいよって感じかな。「サクラクエスト」じゃどんなコンテストに応募しても佳作も取れないよ。デビューさせてもお金にならないもん。


そういえば、先週背景美術について書いたんだけど、すごく不評で、「線じゃないと思う」と反論の嵐だった。会社での話ね。でも、うちの会社、オレも含めて美術の知識がない朴念仁ばかりだから、どこがどう他と違うのか誰も言い当てられないという。学生時代だったら美大の奴らに絵を見せて、話を聞いたんだが、この年になるともう縁遠くなっていて、連絡先も分からない。辛いなぁ。学生はいいよな。時間がたくさんあってさ。

で、どうなったかというと、「タッチですよ」で、そこから先に話が進まないというね。なんだろう。トレースして線に起こしたものを、水彩風に塗ってどうのこうのって。「おいそれ全部そうだろ?」って思ったけども。

まぁオレら走る鉄の塊を作ってる人間に美術のことなど詳しくわかるはずもないが、ああして背景美術のことを書いてみると、結構みんなこの作品の背景を「綺麗な絵だ」と思っていて、でもそれは口にしないんだよね。だからまぁ、的外れでも文章に書いて残せば、そこから会話が発展して、アニメファンの知見もさらに深まろうというものだから、良しとしてくれ。

黙ってても、何のきっかけも生まれないからね。

美術は「SHIROBAKO」と同じ人だよって話はかなり盛り上がった。

みんながアニメの美術についてもっと話題にすれば、竹田悠介氏の作品集も出るかもよ。

好きなら好きって口に出さないと。





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「ID-0」第11話 感想(これは凄すぎるでしょ) [アニメ/特撮]

情報が詰まってて解析が全然追いつかない。ワクワクが止まらんな、オイ。

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ケイン・アリスガワのクローン体に意識データを移したイドは、エスカベイト社の面々に救出され、ストゥルティー号に帰還した。

一方、かつてケインの共同研究者だったアダムスは、惑星連盟軍を動員し、移動天体ラジーブの動きを阻止しようとしていた。人類の救世主になるというロマンに憑りつかれたアダムスは、ケインのクローン体を捨て、自らの身体にマインドトランスしていたが、自己犠牲に美を見出していた彼は自分の肉体を放棄して、騎士風にデザインされた自分専用のIマシンに意識を移した。

ケイン・アリスガワの研究に出資し、最終的に自らオリリアンとなって永遠の命を手に入れようと画策していた白眉有楽翁は、アダムスがケインに成りすますことをやめると宣言し、自分のことも手ひどく否定されたことでショック死してしまう。しかし彼は用意してあったクローン体に意識を移し、いったんは死から逃れたものの、オリリアンとなって完全体のまま永遠の命を入手することが叶わず、またクローン体に乗り移っていく手段も不完全な技術であると思い定めると、改めて自死を選んだ。

重傷を負っていたケインは救命ポッドに収容されていた。大半のオリハルトを使い果たしてしまっていたストゥルティー号のグレイマンは、人類の命運を惑星連盟軍に託し、自分たちはバカンスに入ると宣言した。納得がいかないマヤは、ケインの記憶データの中に人類を救出する手段があると反抗した。

そこに、ケインのクローン体に戻ったイドが加わり、アダムスの計画は不完全で、自分たちがやらなければ人類は助けられないと訴えた。グレイマンは仕方なくイドの計画に乗ることにした。

自殺ののちIマシンに意識データを移したアダムスは、IDが白紙になってしまっていた。だが、惑星連盟軍の総指揮官の立場に酔いしれるアダムスはそんなことなど意に介さず、オリハルト弾を全弾使い果たした惑星連盟軍の後ろに巨大戦艦とともにミゲルジャンプした。彼は自分の会社で開発していた特殊な掘削兵器をラジーブに撃ち込み、ラジーブ内部にある結晶集積体に自分をモデルにした疑似的なオリリアンを侵入させ、ラジーブの頭脳を停止させる作戦を決行した。

そこへ姿を現したイドは、ラジーブに自己学習能力があることを告げる。ラジーブに疑似オリリアンを送り込んでも、ラジーブはウイルスに対する抗体のようなものを作り上げてしまい、二度と同じ手段は使えない。実際、作戦は無残に失敗していく。

激怒したアダムスはイドに戦いを挑もうとするが、そのとき、言葉を失っていたアリスが声を発し、ふたりを制止した。


というお話。


なんか、話が進めば進むほど、前に考察したオリハルトは鉱物状の粘菌じゃないかって推論が頭を離れないんだけど、違うのかな。ラジーブに頭脳のようなものがあるなら、ラジーブはオリハルト回収装置ではなく、オリハルトの本体そのものじゃないかって気がするけどなぁ。鉱物に見えるのは粘菌の塊の部分で、ミゲルネットワークにはクォークレベルの微量なオリハルトが残っていて、実は散在しているように見えるオリハルトはすべて繋がっていたとか。

アダムスが英雄的なロマンチシズムに陥る原因になったケインの「人類は2億人くらいからやり直す」という発言は、実はオリハルトが生物だと知って、人類はそれを放棄するしかなく、そうすれば否が応でも人類の数は減るということのようだ。資源を使い果たして、オリハルトを利用して宇宙に進出したはいいが、空間転移の根幹をなすオリハルトを失えば、人類はたちまちのうちに困窮するという話だと思う。悪魔的な科学者ではなく、ただのリアリストってことだね。

アリスが最後の希望のようだが、これもオリハルトが意思疎通の利く生物だと仮定してみると、オリリアンであるアリスがオリハルトを説得して人類とオリハルトの共存を訴え、空間転移するだけの微量のオリハルトを使わせてくれるように頼むとか、そういうこともあり得る。

「オリハルトが使えないなら人類は2億人くらいからやり直すしかない」と諦観する現実主義者と、「オリハルトは使える。人類は救える」と興奮する夢想主義者との対比になっているが、ケインは最初からアリスを使ってラジーブとコンタクトを取るつもりだったのかもしれない。その記憶はクローン体には残っていなかったのかもね。クローン体への意識転移は、記憶のかなりの部分は失われるようだし。

来週の副題は「実存人格」。いろいろ思うところはあるのだが、スマン、「有頂天家族」を見なきゃ。

暇があったら最終回でなんか書くわ。引っ越しがあるけど。

あ、そうそう。アダムスの巨大戦艦みたいなのって絵だったけど、金子さんのデザインかな?






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「リトルウィッチアカデミア TVシリーズ」第24話 感想 [アニメ/特撮]

信じる心と疑う心を対比する流れになってしまった。

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クロワの猜疑心と科学信仰が生み出した最後のICBMのようなロケットはかなりヤバそう。あれを止めるには、TRIGGER的な無茶をやるはずで、最期のお楽しみといったところですね。みんなで力を合わせて大災害を食い止める感動のシーンを期待しております。

アッコは自分の憧れだったシャイニィ・シャリオのすべてを受け入れ、何もかもを許し、七つ目の言の葉を蘇らせて世界改変魔法を発動させました。それによって昏く陰鬱だったアルクトゥルスの森が美しい森へと生まれ変わりました。

これと対比させてあったのがクロワの猜疑心が作り出したロケットで、かねてから描写されていた人間同士の憎しみ合いの心が生んだ力を詰め込んだまま、空高く発射されてしまった。おそらくはこれを食い止める流れだろうと思います。

かなり良かったので、最終回の感動は約束されたようなものだね。

最後までTRIGGERのアニメらしく、突破力があるところを見たい。力技で物事を解決してしまうところが見たいですね。



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「OVERMANキングゲイナー」第1~5話 視聴 [アニメ/特撮]

アニメの再視聴を始めた初期に、富野由悠季の名前だけを頼りにレンタルしてみた作品を、再視聴することにした。

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基本的には、人間の生産活動によって弱体化した自然環境を、人間がドームポリスに居住することで解決しようとした世界にあって、自然の復活を確信した人々によるドームポリスからの脱出であるエクソダスを試みる立場と、当初は自然保護を目的としながらも、いつしか利権まみれになった立場の人々との間に起こった追っかけっこが話の中心だ。

戦争をしているわけではないので、人が死にまくる話ではないものの、OVERMANという名の不可思議ロボットを双方が所有しているので、毎回毎回戦いのシーンがある。これが面白い。

OVERMANはロストテクノロジーの産物という設定のようで、なんだかよく分からないがこの世界に存在しており、整備などを通じて活用することはできる。火力で戦う代物ではなく、時間を止めたり、消えたりして雌雄を決するのだが、これがアイデア満載で見ていて飽きない。回を追うごとに、信じられないような能力を持つOVERMANが登場する。

登場人物は、相反する設定を併せ持つように造形され、ドームポリスのお姫様なのにエクソダスを支援するようなことを言ったり、エクソダスを憎んでいるのにそれを推進する女の子に惚れているばかりに手伝ったり、孤独でタフな男なのにいいところのお坊ちゃんだったり、強いはずの男が負け続けたりしている。

人間の描き方がおもしろく、このやり方は「ガンダム Gのレコンギスタ」に引き継がれている。アンビバレンツなまま状況に対応していくうちに、自分の立場が定まっていくやり方である。ベルリ・ゼナムなどはまさにそうで、好きな人の恋人を殺し、恩師を殺した事実に打ちひしがれながらも、腹は減るし、次の戦いはすぐにやってくるし、女の子のことは気になるし、曖昧で定まらぬ心持を抱えたまま状況だけがどんどん進んでいく。

演出上、人間の気持ちを多方向に振るのは難しい表現だが、「∀ガンダム」などではすでに試みられていたように思う。悲しみの感情が湧き起こる場面で、泣きの演出をせずにコミカルなシーンを挟んですぐに次の問題が起こるものだから、ついてこられない人もいるだろうが、ひとつの感情を保留しながらも、登場人物はそれぞれが勝手に自己解決していく様子はまさに群集をただの塊りとして描かない独特なものだ。これがおもしろい。

悲しんでいる人がいる横で楽しんでる人もいたり、恋愛感情が盛り上がってる人の横で大好きな夫が死にかけている人もおり、人間社会の描き方として本当に勉強になる。「リーンの翼」の冒頭部分はまさに傑作だ。

引き続き視聴していく予定。





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「タイガーマスクW」第36話 感想(最高に盛り上がってくる) [アニメ/特撮]

ケビンまさかの病院送りで第4試合はタイガー・ザ・セカンドとグレート・ザ・サードのタッグ対タイガーマスク、タイガーザ・ダークのタッグマッチになってしまう。

4頭の虎がリングに集結する様子はなかなか格好良かったぜ。

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虎の穴四天王のふたりを相手に勝てるはずがないと思っていたが、さすがに脚本はよく考えられていて、マスクで隠されていたもののタイガー・ザ・セカンドはかなりのベテラン選手で、2試合連続は体力的にきつく、身体が動かないという設定にしてあった。

一方で6メンタッグマッチで冴えなかったタイガー・ザ・ダークは、1試合をこなして試合勘を取り戻つつあるところに、この日のために新必殺技を考案していた。この必殺技がかちあげ式のクロスチョップというか頭突きというか、そんな技で、現実でやっても見栄えはしないだろうが、そこはアニメの演出でかなり格好良く描かれていた。

先発したタイガーマスクがグレート・ザ・サードを前にエキサイトして実力が発揮されないなか、ザ・サードの必殺技を喰らいそうになるタイガーをダークが助け、そのダークがザ・セカンドに必殺技を掛けられそうになる。必死に動いて難は脱したものの、そのまま場外に叩き落とされてしまったダークは失神状態。

リング内では、やたらと自分に喧嘩を吹っかけてくるタイガーマスクの正体を訝しんだザ・サードが、タイガーマスクのマスクを剥ぐ展開に。佐山タイガーと小林邦明戦でよく見た光景だ。ザ・サードは小林邦明風に左目の部分のマスクを剥ぎ、タイガーマスクの正体が東ナオトだと知ったルリ子が騒然となる。

リング外で失神したダークの父親藤井大助が息子可愛さのあまり椅子から立ち上がる「クララが立った」展開で地味に盛り上げながら、ダークは本領を発揮する。

デビルズ・トルネードをかわしたダークは、屈んだ姿勢からかちあげ式のクロスチョップだかパンチだがヘッドバッドだかでザ・サードを倒し、同じ技でザ・セカンドをフラフラにする。そこをタイガーマスクがジャーマン・スープレックス・ホールドを決め、対戦成績を新日の1勝2敗1引き分けに持ち込んだ。

第5試合はシングルマッチなので、新日はエースオカダ・カズチカを投入すると決まっていたが、GWMの方はザ・サードを出して一気にケリをつけたいミスXと、ザ・サードを休ませたいミスターXで意見が対立。結局はミスターXの上司権限でミラクルワンが出場することになった。


というお話だったのだが、第5試合に半ば噛ませ犬のような扱いで出場したミラクルワンがいきなり毒霧をオカダに浴びせかけてなかなかおもしろい展開にしてあった。絶対王者オカダはその安定ぶりが幸でも不幸でもあり、正統派レスラーとオカダをガチで対戦させてしまうと、負けた方の価値が下がるだけで、相手の選手の物語が終わってしまうという欠点がある。ケニー・オメガなどがそうだ。絶対王者オカダより強いか弱いかだけが残ってしまう。

絶対王者は最後には勝つのだから、その過程でピンチに陥らねばならず、それを毎回やるには相手の選手が反則技を使うヒールになることが、王者の価値を守りつつ対戦相手の価値を高めることにもなる。毒霧を使うヒールをぶつけるのは、アニメでも現実でもいいと思う。

アニメは対戦相手の設定をいくらでも変えられるが、現実の場合はやっぱりデカいオカダよりさらにデカいのが望まれるところだ。

来週はそのオカダとミラクルワンの試合になる。あまり尺が残っていないのがちょっと残念。メインの試合は、タイガーマスクとタイガー・ザ・ダークの覆面を貼り合わせたマスクで戦うタイガーとザ・サードの試合がメインで、最終回かもしれない。後日談みたいにもう1話あるかもしれないが。

この「タイガーマスクW」だけど、懐かしさだけで視聴するつもりだったのに、かなり面白かった。ところどころ作画に力が入っているのがたまらんかったよ。





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