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「侍ジャイアンツ」第25話 視聴(新OPになる) [アニメ/特撮]

第25話からは新OP。久しぶりに聴いたが、ちょっと記憶のものと違った。

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第25話のコンテは富野喜幸。何度も指摘しているけど、ちょっとしたセリフの妙でモブキャラを際立たせたり、ライバル関係を濃密に描くところはさすが。

やっとのことで退院して、中日戦先発を勝ち取ったと思ったら、交通ストに巻き込まれて番場蛮は先発を堀内に譲る。しかしその堀内が中盤で崩れ、蛮はロングリリーフに就いた。最初の相手が大砲万作というシチュエーション。

そこに至るまで番場蛮の焦る心情に深入りしないところが富野っぽい。出崎哲氏ならば、球場到着が遅れるところをしっかり演出して番場蛮のはやる気持ちを際立たせ、リリーフ登板のところで一気にストレス開放、蛮に快刀乱麻させているはず。でも、富野はそれはしない。

番場蛮の視線の先に大砲万作、大砲万作の視線の先に番場蛮を置いたままストーリーをサクサク進行させ、その途中で放送時間延長のせいで眠ってしまう妹の描写などが挟まる。兄の復帰を待ち望んでいたのに、先に眠ってしまう妹の幼さをちょろっと入れてキャラを立たせるんだよな。こういうところが上手い。

蛮と大砲の対決ストーリーは原作や脚本に準拠しているだろうが、蛮の心理描写に多くの尺を割かず、ライバル関係の描写に全振りする思いっきりの良さは持ち味でしょうなぁ。

富野喜幸は、「鉄腕アトム」や「海のトリトン」で作家性を暴走させ、メインスタッフから放っぽり出されるほどアクの強い人間だが、このさすらいのコンテマン時代は脚本を捻じ曲げるほどメインで働いていないせいか、地道に自分の演出能力を磨いている感じ。

富野がその作家性と演出を噛み合わせてきたのはかなり遅くて、おそらく「ブレンパワード」までこないといかんはず。オレはもうその頃はアニメを見ていなくて、後付けで時系列を追ったが、「ブレンパワード」「∀ガンダム」の前までは、モブに至るまでキャラクター個々を描き分ける作家能力と、対決を軸として話を盛り上げる演出能力は同じベクトルを向いておらず、とにかく生み出したものを破壊する方向になりがちであった。

「機動戦士ガンダム」だけが例外で、あれは間違いなく現場にいた安彦良和の影響力が作用している。安彦良和はクレバーで頭が良く、SFにも精通しているので、演出能力の方を暴走させにくかったのだろう。一方で安彦は演出能力が全くない人であるから、「機動戦士ガンダム」を彼が生み出すことはできなかった。童顔で大人しいけども、自分より頭が良く現場の影響力が強い安彦を意識していなければ、あの終盤数話はあれほどまとまらず、ひっちゃかめっちゃかになっていたはず。そもそも打ち切りを宣言されたときにぶっ壊れて何かしでかしたに違いない。安彦良和の眼が怖くて、しなかっただけだ。

「機動戦士ガンダム」って語られつくされた感はあるが、ラスト数話のあの異常な盛り上がりを納得いく形で表した論評は読んだことがない。商業的な成功ばかり取り上げられることが多いのだ。

そうしたこともあって、富野由悠季はもっとちゃんと分析しなきゃいかんと思っている。

「侍ジャイアンツ」の感想では、出崎哲氏との比較で、脚本の何を中心に演出しているのか、何に尺を割いているのかなど感想としてまとめられたらいいなと考えている。

できれば、他の人がちゃんと分析したものを読むだけの方がいいのだが、誰もやってくれないから仕方がないね。





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